2012年 冬から春への中国鉄路一人旅 Part14  江合煤鉱鉄路 グースの里北碚(ベイベイ) その1

第18日目 3月7日

①    北碚12:10(Bus)→12:30水土鎮
② 水土12:35(バイクTaxi)→12:52 302工場
③ 302工場13:03(グース)→13:56炭鉱

朝起きて暗闇の外を見ましたら、今日も雨が降っています。初めての撮影地で、ぬかるみも多く山の中です。出発は天候の回復を待ってからの方が良いなあと、様子を見ることにしました。しかし、雨はやみそうにありません。12時前には早めに昼食を済ませて昨日調べておいたバスに乗りました。

北碚だけの地図が見つかりました。ただ炭鉱鉄道については、路線の記載がありません。どこを走っているのかは、グーグルアースを見ながら線路をたどっていく以外ありません。バスは30分に1本が運行されていて、乗車20分で水土に着きました。
ここから、公共機関がありません 。歩くにも目的地302工場と距離が分りません。丁度、客を降ろしたバイクTaxiと料金交渉しましたが。25元を譲らず、言いなりです。
コンクリート舗装はしてありますが、補修はされていなく穴だらけの岩の上を走って行きますと、302工場だという広場がありました。グースや線路など見えません.
近くの雑貨屋のお姉さんに聞くと。上よと指さします。坂道を上がると、2編成のグースが見えました。

【江合煤鉱鉄道】
開業は1890年、山の炭鉱から水土付近まで石炭を輸送するるために英国人が建設した延長11.3キロ600㎜ゲージの炭鉱鉄道。 1885年までは客運もやっていたとか、当初から蒸気機関車は配属されず、トラック用エンジンを載せて、自社製で走っています。
なぜにグースと呼ぶのか私は分っていませんが。O氏より「galopping gooseは駆け回るガチョウという意味で、ボンネット付きトラックの荷台を改造して線路上を走れるようにした気動車の一種とありました。」とのフォローをいただきました。
しかし、何となく沿線のあちこちにいるグースに似たL型DLですので、そう名づけられたのかも・・・。


▲ 誰が名づけたのかグース、その中でも特異なのは、ベルト駆動です。プーリーにかかる5㎝幅の12本の古タイヤ製ベルト。これは古タイヤを5センチくらいの長さに切りボルトで繋いだものだそうです。見るのは初めてでした。
▲ 丁度13時。昼食が終わった運転手さんが出てこられました。1番偉そうな方に。「日本から、このDLの写真を撮りに来ました。ロケハンをしたいので、終点まで乗せていただけませんか?」と、嘆願すると、あっさり「可以=良いですよ」と返事が返ってきました。助手席に坐らせていただきました。

▲ 502工場をすぐに出発して、炭鉱へと、向かいます。時速は、約15~20km/h程度で、昆明で乗った1000㎜ゲージといい勝負です。唯一の交換駅泰山石までを0~5‰の緩やかな上り線になっていて、トンネルまでありました
▲ トンネルを出ると高速道路が見えてきました。初めての踏切がありましたが、運転手さんぱ突然に大声を上げて停車です。何かと思うと牽引していたトロッコ数両が、置き去りになりました。あわてて後進して、助手が連結をやり直しての出発です。振動は半端なものではありません。連結ピンが外れてしまったようです。
やがて、 13:31山石交換所に到着しましたが、交換する列車がないようで、停車することなく走行します。太山村の踏切からほぼ平行していた道路から90度右に回って再び山中に入っていきます。そして、ここがサミットなのか緩やかな下りとなりました。


▲ 13:56江合炭鉱に到着。思いもかけずの600㎜ゲージ、53分間乗車の楽しい時間を過ごせました。車上からのロケハンもばっちりです。運転手さんにお礼を言っておりました。


▲ 構内には、石炭を満載した列車が待機していました。ホッパーでは、積込みも行われています。DLは同じようですが、よく見ると1台1台違っています。

▲ そして、なんといってもいいのが、木製トロッコです。多分1台3~4トンを積んでいるのでしょうね。7両を牽引して、302工場に向かいます。 ここに採炭所があるそうです。

▲ ホッパー上に上がってみてみましたら。さらに600㎜ゲージ線があって、トンネルへと続いています。架線も張ってありますので、鉱山型の小型ELが走っていると思われます。さすが長いトンネルですので、ここへの突入は自重しました。炭鉱はまだこの先のようです。

14:30、下へ降りてみると、待機中だった採炭列車が1編成づつ302工場へと出発していきました。入口手前に左カーブをして行ったDLがありましたので、この先はどうなっているのかと行ってみました。

▲ U字型にカーブした先には、機関区がありました。そのまま入って撮っていますと、責任者らしき人が声をあげてしゃべってきますが、全然分りません。近づいて、にっこり笑ってから自己紹介と鉄道が好きなんだと申しますと、表情が変わって穏やかに機関車の説明をしていただきました。9台あると聞いたが今は何台かと聞くと6台と答えられます、出力190HPエンジンを積んでいると開けて見せてくれます。車両は全部自家製と誇らしげに言われました。

まだ時間もありましたので、明日からの撮影に備えて、交換駅の泰山石まで歩き出しました。
歩き出して分かったのですが、 全線の枕木は、石です。沿線に砕石場があって切り出されたものと思いますが、バラスも十分ではない状態でよく走行できているなあと感心します。

▲ 丁度いいカーブがあったのですが残念ながら、向こうが先にきてしまいました。

今日は昼から期待感なしにでましたのに、600㎜ゲージ乗車と全線のロケハンが出来ました。運行も午前2往復、午後2往復になるとお聞きしましたので、予定が立てやすくなりました。
明日の天候回復を祈って、早め就寝しました。    Part15  へ続く 

 

2012年 冬から春への中国鉄路一人旅 Part14  江合煤鉱鉄路 グースの里北碚(ベイベイ) その1」への2件のフィードバック

  1. グースとは、米国コロラド州の有名も有名な3フィーター、リオグランデ・サザンでの、乗用車やトラック改造レールカー群に捧げられた愛称「ギャロッピング・グース」が根源です。インターネットで検索すればイヤというほどヒットしますから、老人が禿筆を以っていい加減なことを書くのはやめておきます。現在でも何両かは動態、静態保存されているはずですから、ぶんしゅう氏は、次はコロラドに行きますか?

  2. 湯口大先輩 様へ
    貴重なコメントをいただきましてありがとうございました。
    グースが田んぼにいっぱいおりましたので、そうなのかと思い込んでしまいました。
    ネットで結構、名前の由来を調べていたのですが分りませんでした。これで、今日もゆっくり美味しい酒を飲んで寝れます。ありがとうございます。

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