2009年青春18きっぷの旅Ⅰ Part3 富山ライトレール

富山まで移動のため、高岡12:26始発の437Mに乗車すべく駅に行きましたが、何やら改札口周りがざわついています。朝からの悪天候です。糸魚川付近で、強風のために列車が止まっているとの放送がありました。437Mは、本日運転休止です。仕方ありません。

12:50発の439Mは、運行するというので、ホームで北陸名産のかまぼこと揚げ物を”アテ”にビールを飲みながら、待つことにしました。

旧国鉄色の475系3連に乗車、富山は定刻到着でした。ホテルへ荷物を預けてから、富山ライトレール富山駅北を目指しました。

富山ライトレールは、2004年4月29日に、旧JR富山港線をLRT化して開業しました。鉄道友の会の2007年ブルーリボン賞、またJIDPO(財団法人 日本産業デザイン振興会)の2006年グッドデザイン賞も受賞しました。

第3セクターで運営する鉄道会社は、全国に約100社ありますが、黒字経営ができているのは、智頭鉄道、北越急行と数社です。殆どは、JR赤字ローカル線を引き継いだが、慢性的な利用客激減を止められず、やがて精算廃線の道をたどっているのが現状ですが、富山ライトレールだけは違いました。

初めて日本で、LRTが成功した事例でもあります。これからの都市再開発の起爆剤として、期待されている富山ライトレールを是非とも、乗って見て実感したいと、以前より思っていました。

かって、日本全国の都市には、都市内交通機関として、路面電車が市民の足として、欠かせない存在でした。しかし、モータりーゼーションの影響により、車が道路上に溢れる車で、スピードダウンを招き、やがて利用者減となりました。道路上には邪魔な物として、地下へと追われるか、廃止廃線が続きました。

確かに大都市の路面電車は、高速大量輸送機関とは、無理と言わざるを得ませんが、地下鉄には、膨大な建設費が必要です。開業しても高い運賃となり、利用客が予想に達せず、多くは運営面でも赤字となり、以前よりも経営、財政を圧迫しているのが、現状です。

関西でも、神戸地下鉄海岸線や大阪地下鉄今里線で代表されるように、無理な利用客予想、かかる維持経費のために大きな失敗例となっています。むしろ、LRTが最も相応しかったのでしょう。財政悪化を引っ張るこれらの路線は、早く廃線にして、都市洪水対策のトンネルとして再活用した方が、市民のためにも良いと思うのは、私だけではないと思います。

インテックス本社前~富山駅北

富山駅北~インテックス本社前

インテックス本社前

奥田中学校前~インテックス本社前

奥田中学校目

城川原入場

下川原車庫

下川原

東岩瀬 旧JR駅舎が保存されている

大広田

岩瀬浜~競輪場前

岩瀬浜~競輪場前

岩瀬浜~競輪場前 天気が良ければ、絶好の撮影地

 富山ライトレールは、
① 北陸新幹線建設に伴う富山駅高架工事に、年々利用客減少が続く富山港線を含めるには、多額の費用が必要でした。
② 駅工事の負担金を求められる富山市は、富山港線高架化、それまで一般的だった鉄道廃止によるバス代替運行、そして路面電車化の3者一宅を検討しました。
③ 富山市が目指すのは、『公共交通を軸としたコンパクトなまちづくり』でした。
④ 富山県は、全国第2位の自動車保有台数、全国第1位の道路整備率の現状となっているがために、都市中心部の空洞化を招いている。

以上の状況のもとに富山市が選択した結論は、我々鉄道ファンが待ち望んだ、LRT導入による路面電車の建設でした。

奥田中学校前駅から終点の岩瀬浜駅までの区間は、JR富山港線の跡地を利用して、最高速度60km/hで走行する専用軌道、奥田中学校前駅から富山駅北駅までは、新設の道路併用軌道(レールはドイツ製)とした。

奥田中学校前~インテックス本社前

車両は、第38回ローレル賞、第1回国際交通学会賞に輝く熊本市交通局9700形、岡山電気軌道9200形”MOMO”で、実績あるボンベルディア社製LRVを基本とした、新潟トランシス社製造の低床製LRTを採用した。

利用者を増やすべくサービスの数々を実施した。
① 前略の低床式車両の導入により、バリアーフリー化を実現し、老人や車椅子利用客にも問題なく乗車できるようにした。
② JR時代は、1時間に1本だったダイヤをラッシュ時は、10分間隔、日中時も15分間隔を確保し、待ち時間を短縮した。
③ 終電を21時から23時台まで延長した。
④ 駅を4駅増やし、身近にした。
⑤ 季節に合わせてのイベントを実施した。
⑥ 最も強調したいのが、『トータルデザイン』。社員、駅、ICカード、車両に至るまでのすべてを一貫した、コンセプトで統一した。一言で云えば、『かっこ良い、ナウイ』印象を与え、若者も取り込んだ。

待っても中々来ない。乗り込むにも段差があり、年寄りには一苦労。走り出してもノロノロと遅い。よく揺れて、乗り心地が悪い等々の路面電車のダサいイメージを、払拭してくれました。

結果、JR時代は、平日約2,000人、休日1,000人にまで落ち込んだ利用客は、2006年10月には、平日2倍以上、休日では5倍以上に増客した。2008年11月11日には、500万人を突破し、目標値を1年半早く達成しました。富山ライトレールの大成功に意気上がる富山市では、富山地鉄市内線の西町交差点から丸の内までに路線を延伸し、環状線化を図る。また、上滝線についてもLRT化計画を打ち出しています。

地球温暖化対策における温室効果ガス排出量を減らすためにも、都市交通のLRT採用は、大いに寄与すると実証されています。また、都市財政の破たんが世を騒がす現状を見ても、少ない投資で大きな効果を上げていける事は、欧州はじめ世界各地での常識です。京都でも、出町柳から北野白梅町を結ぶLRTを敷設して、出来れば、嵐電、叡電と相互乗り入れしての路線が出来れば、観光にも便利になるでしょうね。

こんな事を考えながら、夜まで、乗車と写真撮影に励みました。乗車していて感じた事ですが、殆どの運転手さんが気楽に声をかけてくれます。運転中は、こちらから差し控えるほどでした。さあ、明日は皆様方と合流の日です。富山から高山線で向います。  Part4 へ続く

2009年青春18きっぷの旅Ⅰ Part3 富山ライトレール」への1件のフィードバック

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