2012年~2013年 極寒の中国鉄路の旅 Part5 兴隆森林鉄路(興隆森林鉄道)

第5日目 12月27日 2の2

午後からはC2型蒸気機関車をチャーターしてのフォトランです。林業局関係者も同乗して林鉄兴隆站を出発しました。20_C2林鉄スイリン駅

21_運材車▲ 長春嶺站までは、後ろ向きの牽引です。7両の空の運材車を用意してもらいました。 途中で止まって撮る予定でしたが、夕日をバックに撮れる復路を優先しようとになりました。 11月に訪問した綏棱と違って勾配区間やカーブもあって、撮影ポイントはありそうです。 22_長春嶺駅17_長春嶺駅機回し▲ 13:01、約40分の乗車で長春嶺站に到着しました。まずは、7両の空の運材車を側線に引き上げて、客車の後ろに側線に置いてもらっていた満載の運材車を連結します。約20分を要しました。 22_長春嶺駅発車1

▲ 13:25、運材列車再現の用意ができましたので、長春嶺站発車シーン撮影です。林鉄局のスタッフもVTRやカメラで熱心に撮っておられました。 24_走行1運材列車は通常15両編成なのだそうですが、今日はC2型蒸気機関車の試運転も兼ねていましたので、いきなり重量運材列車牽引では無理があります。また長編成ですとフレームに入って撮れる場所は限られますので、今日は7両編成に短縮です。丸谷氏のお考えでしたが、私的にも丁度良かったですね。 22_長春嶺駅発車2

▲ 13:50、昨日のロケハンで短いながらも鉄橋があるのが分かりました。撮影ポイントの一つとしてノミネートしていました。

23_鉄橋22_長春嶺駅発車3
▲ 磨かれた黒い車体に斜光が当たりギラリも見せてくれました。 林鉄局のカメラマンからもオーダーが出て、3回の繰り返しフォトランをお願いしました。

26_長春嶺~▲ 14:15、この辺りは、鉄路に平行した道路があります。道路両際の高い木々の街路樹をバックに撮りました。この蒸気機関車は、修復後とあって中々調子が良く、発車時には煙が高く1本に上がってくれます。注文通りに答えてくれました。 22_長春嶺駅発車10▲ 中国の蒸気機関車に使用される石炭は日本とは違って硫黄が少なく良質です。そのためか白煙が多く、中々こんな風に茶色が混じった煙は期待できないのですが、これなら大満足でした。 27_長春嶺~▲ 14:27、この辺りからは右にカーブして、道路と離れて上り勾配に入ります。 28_長春嶺~▲ 14:38、冬の夕日は早く、もう傾いてきました。1分1分、空の色が変わっていきました。
29_夕日の築堤01▲ 14:48、金色の空の下、築堤をゆっくりと上がっていきます。今日の兴隆森林鉄路のハイライトでした。
30_夕日の彼方へ15:55、この後、沈む夕日を追いかけて移動を重ねましたが、バックに煙を出す工場があって、中々撮影ポイントを確定できずで、ようやくここかなと思った時には、沈みきっていました。

31_林鉄スイリン駅夜▲ 16:30、林鉄兴隆站に戻りました時は、もう夕闇の中でした。明日朝のレールバスの運行を確認するために駅舎内に入った時に、またうっかりしてレンズキャップをするのを忘れていました。蒸気機関車が機関区に回送していく様子を撮ろうとしましたが、ご覧のように結露は凍ってしまって、レンズは真っ白、急いで削り取りましたがピントは合ってくれず散々です。雰囲気だけを見てください。

[ 兴隆森林鉄路 】
かつて総延長約500キロの中国最長の森林鉄道路線を誇りました。現在は、約150キロが残り、雪が積もる11月中旬から雪解けまでの間、伐採された原木輸送が続けられています。残念ながら、蒸気機関車の定期運行は早くに終わって無煙化されていますが、関係者の努力で今回C2型蒸気機関車の8年ぶりの運行ができました。
今回無事に運行できたことにより、今後もチャーター列車の運行はできるそうです。今回は、試運転も兼ねてでしたので、約10キロのチャーターに終わりましたが、今後は奥地までを運行したい希望を持っておられます。

問題は、給水です。煙がよく見える1番の撮影シーズンの冬は、給水可能な途中の河川は凍っていますので不可です。消防車を使用したいところですが、走行する路線は3つの消防管轄地域を走るので、交渉手配が難しいそうです。かつての「特急つばめ」のようにタンク車を連結するのもいい方法ですが、ノウハウがありません。
冬以外では何とか給水方法はあろうかと思いますので、次回はもっと奥地まで行ってみたいものです。新緑(5月中旬)や紅葉(9月中・下旬)時期は、素晴らしい光景の中での撮影が可能と思われます。

チャーター料ですが、今回は半日の往復で11,000元(約14万円、※1)でしたが、その都度の交渉となると思います。VIP客車の車内は、外温マイナス20℃にもかかわらず温かく保たれていて、凍てつく寒さは感じませんでした。客車定員は12人ですが、補助椅子を入れてもらったらもう少し乗れそうです。他の客車を連結するなら、20人以上でも可能です。終点和平までは146キロあるといいます。宿泊できる宿もあるそうです。
5月連休には、小竹直人先生が奥地までのチャーターを企画されておられます。新緑には早いのですが、1人でチャーターするには支払える金額ではありませんので、安くつく「みんなでチャーターツアー」なら参加する予定をしております。参加をされる方が多いほど安くになります。もしご希望者がありましたら、コメントにお書き込みください。ご連絡をさせていただきます。

今日は一日中晴天が続き、まずまずの撮影ができました。3人で羊肉のしゃぶしゃぶを食べて乾杯をあげました。明日のレールバスの撮影地は今日のリベンジ場所にしました。
駅舎で今日の延着は、昨日レールバスが運転中に脱線横転をしたために、この影響で運材列車の運行が遅れたことを知りました。明日は定時運行に戻るそうで、頑張ろうと誓いました。

※1、興隆鎮のチャーター料は11,000元でしたが、時間で決まっているのではなく、距離で決まっていました。半日11,000元ではなく、10キロ11,000元の提示だったそうです。一つ目の駅までは8.5キロくらいですが、そこまでで11,000元になりました。
 Part6  へ続く