2013年 記録的大雪のリンゴの町への旅 Part3 弘南鉄道 大鰐線

第3日目 3月1日

① 弘前中央9:00→9:29大鰐9:50→9:56石川プール前
② 石川プール前10:36→10:44義塾高校前12:46→12:49石川
③ 石川14:39→14:53聖愛中高前15:53→15:58弘前中央
④ 中土手町(循環バス)→弘前駅→中土手町
⑤ 弘前中央17:30→17:34聖愛中高前18:34→18:38

今日は3月1日、暦では春ですが、本州北端の地はまだ冬の季節のまっただ中です。
朝から天候が期待できませんので、弘南鉄道大鰐線ロケハンと撮影です。ホテルのデラックスな朝食をたらふく食べてから向かいました。

大鰐線の起点弘前中央駅までは、ホテル前の坂道を下って約5分少々でした。
01_弘前中央駅01_弘前中央駅201_弘前中央駅3▲ 8:47に到着しましたが、電車はまだ入線していません。改札係のおばちゃまは、前回10月に来た時にリンゴをくださった方でした。ご挨拶しますとよく覚えておられて、「また来たね。今日は正常通り運転していますよ。でも、ラッセルは必要ないから運行しないでしょうね。」と申されます。

8:51、大鰐からの折り返しの電車が到着しました。
通勤客と思われる乗客が下りて来られましたが、都会のラッシュとは雲泥の差でパラパラです。
降車客が改札を通過してからの乗車改札です。待合室にはそんなに乗客はいなかったのに車内に入ると半分くらいシートに座っているお客があられました。途中駅は温かい待合室などありませんので、折り返し電車が待合室代わりなのかも・・・。


02_運行表
運行表です。千年駅は交換駅で、発着が確認できるように赤字になっています。弘高下~聖愛中高前は乗降客が多いのか30秒停車、小栗山~は20秒停車になっています。

大鰐までの所用時間は、約30分。ラッシュ時を除くと1時間間隔で運行されています。

 

03_沿線01▲ 弘前中央を発車すると、両側に民家が密集した中の上り勾配を行きます。ラッセルされた雪は、民家を押しのけるように積まれています。これは住んでおられる方には大変ですが、多分鉄道が敷設されてから建てられたと思われますので、了解の上ということなんでしょうね。
道路の雪道の登り坂を嫌っての1駅区間乗車される客もおられました。路面電車感覚での利用ですね。これなら市内地はLRTのように駅間を縮めて利用者増を図っても良さそうに思えました。
03_沿線02▲ 交換駅の千年を過ぎると両側にリンゴ園が広がっていきます。

ご存じのとおり青森県はリンゴ生産量では日本一で、全体の56%余りを占めています。その中でも弘前は、青森県内のダントツの約50%の生産量を誇り、まさにリンゴの里なのです。リンゴは年平均気温が約10℃前後の冷涼な気候、少ない年降雪量、昼夜の温度差が大きいといった3つの気象条件が必要だそうです。弘前はピッタリ当てはまる地域になります。昨年は台風の被害もなく品質良好で、例年以上の生産量だったそうですが、今年は記録的な大雪に見舞われて、リンゴの樹の雪害が大変深刻になっています。雪の重みで幹が裂けたり枝が折れたりといった被害、また雪解けが遅くなると低温は育成の妨げとなり、開花が遅れれば果実の肥大に影響してしまいます。2013年のリンゴ生産減少が案じられています。

04_ロータリーMCR-4▲ 今日はラッセル車が走らないと思っていましたが、途中の車庫のある津軽大沢では、モーターカーの「MCR-4」が構内の除雪を行っていました。私たちが撮りたいラッセルのキ105の出動ダイヤは決まっていますので、早朝等は使い勝手の良いロータリーもできるこちらが使用されているのでしょうね。
03_大鰐0103_大鰐03▲ 9:29、定刻に大鰐到着。ED221+キ105のラッセル編成は構内の雪の中でお休みでした。これでは写せません。一方、JR線はモータカーラッセルが構内除雪作業中でした。

跨線橋はJR・弘南鉄道の共用です。
03_大鰐0203_大鰐04▲ JR大鰐温泉駅の駅舎と、右に弘南鉄道大鰐駅の駅舎です。

大鰐駅前には弘南バスのバス停もあって、弘南バスターミナルに向かいます。ここも鉄道と同じくラッシュを除いては1時間間隔で、鉄道とは時間を外して運行されています。
沿線住民にはどちらも使えて便利です。我々鉄ちゃんも移動に利用できますが、鉄道と道路は平行しているようでも結構な距離があります。効率よく動くには利用は難しそうですね。

ロケハンはできましたのでまずは前回撮影して気に入っている場所の石川プール前へと向かいました。

05_石川プール前▲ 駅を降りて向かいましたが、道は約20㎝の積雪です。ラッセルしながら中間地点の踏切まで歩きました。両側はラッセルされた土手になっていましたが、逆に凍った土手山がお立ち台になってくれました。

周囲はリンゴ園です。生産者の方が雪害対策とリンゴの樹の枝落しに来られていました。
今年は記録的な豪雪で雪の重みで幹が裂けたり枝が折れたりといった被害が続出しているそうです。被害にあった枝は切り落としたり、傷口に薬を塗ります。またこの時期は、整枝・剪定(せいし・せんてい)といって、リンゴ栽培の最初の仕事で最も重要な時期です。枝を整えて樹の中まで日光が差し込むように樹の骨格を作ることで良いリンゴが生ります。今年だけでなく来年を見据えた作業なのだそうです。収穫までには、肥料、農薬散布、受粉、花摘み、摘果、葉取り等々1年中目が離せない作業が続くそうです。
我が家では孫たちがリンゴが大好きですので、いつも欠かさず買っていますが、ここまでするには大変なんだと教わりました。

今日は、卒業式です。卒業生と鉄道にスポットを当ててみたいと大鰐線義塾高校前に向かいました。
06_義塾高校前01

06_義塾高校前02▲ 津軽大沢からリンゴ園の中を走って義塾高校前へと来る電車です。前回は後方のたわわに実ったリンゴ園から撮りました。

義塾高校前は内側にカーブした駅ホームです。乗客が乗る位置は2両編成の1番前ドアからだけです。こんな光景しか撮りようがありません。かといって、外側からは足場がありません。07_義塾高校前01

07_義塾高校前04▲ 12:17、卒業式が終わって最初に駅に来られたのは、参観のお母さんと息子さんでした。その後も続々と親子連れや同級生たちと一緒に駅へと向かわれます。
3年間通いなれた道を踏みしめるのは高校生として今日が最後です。皆さん、それぞれの思い出を抱いての下校だったのでしょうね。
06_義塾高校前03▲ 東奥義塾高等学校は、弘前藩の藩校稽古館を引き継いで明治5年に開校されたキリスト教の名門校です。校舎はリンゴ園の中の小高い丘にあって、側を弘南鉄道が走っています。今年の卒業生は約300人、社会に飛び込んで行かれる皆さん、これから入試を迎えられる皆さん、弘前を離れて出られる皆さんもおられると思います。それぞれの希望と不安を乗せての義塾高校前を離れる思い出となる電車が入線してきました。
07_義塾高校前08皆さん、ご卒業おめでとうございます。これからも頑張ってくださいね。お送りした後、
08_石川08_石川2 次の大鰐行電車に乗って石川へ行くことにしました。石川は、奥羽本線とオーバークロスする長い橋梁があります。晴天ならバックに岩木山が見えての絶景ポイントになるのですが、曇っていて薄っすらとしか見えません。奥羽本線の俯瞰撮影に切り替えて丘を登ろうとしますが、前回に見つけておいた撮影ポイントへは身の丈以上の吹き溜まりが出来ていて進めません。
おまけに踏切近くでは積雪で見えない側溝に足を取られて危うくズッポリとはまってしまいそうになりましたので撮影を諦めて戻ることにしました。

▲ 石川駅に掲示してあったPTAからの注意勧告掲示板です。かなり目は引くと思いますが、過激ですね。
10_MCR-4_0111_MCR-4津軽大沢駅では朝にも見かけた新潟鉄工所製の「MCR-4」が作業を終えたのか車庫内線路に入っていました。

「MCR-4」
の存在は、前情報にはなかったのでびっくりしましたが、JR東日本青森保線センターの表示がありましたので、今年の記録的豪雪での1次的なレンタルなのでしょうか。
これならロータリーも付いていますので、今年のような豪雪には効果的ですね。
日中のキ105のダイヤは決まっていますので、早朝の始発列車前や構内の除雪に使用されているのかも・・・。

12_聖愛中高前次の撮影地、聖愛中高前で降りますと保線係の方々がラッセル車で除雪できなったホーム周辺をスコップでの作業をされておられました。最後は人力が必要なのですね。

12_聖愛中高前02ここでも駅へと向かわれる卒業生がおられました。
線路そばの側道は狭くて、所々ズッポシ足が入ってしまう穴だらけです。すれ違う時に道を譲ると、にっこり笑顔で「ありがとうございます。」と、挨拶して行かれました。

今日の日中は温かくなっいて、温度は4℃にもなっていました。13_温度


13_弘前中央駅14_弘前中央駅一旦弘前市内に戻って、循環バスで市内1周観光をしてから、夕刻からの撮影に挑みましたが、雨が降り出しました。
また、思っていたよりも早く夕闇が来てしまいました。

09_聖愛中高前15_聖愛中前▲ 18:14、聖愛中高前を発車する電車です。もう30分前が良かったですね。

16_弘前中央駅▲ 18:43、弘前中央駅の夜景です。今日はこれにて撮影終了です。幸いにして腰の具合が治って歩けただけ良かったのですが、たくさんシャッターを切った割には収穫はなく明日からの予行演習が出来た程度に終わりました。

ホテルに戻りましたがまだ誰もお着きでなく露天風呂に入ってビールを飲みながらゆっくりとしていましたら、ようやくW田さんからのお電話が入りました。皆さんが着かれるのは22時頃とのことで、二人宴会で再開のご挨拶としました。 Part4へ続く

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