台湾鉄道全線乗車の旅 Part14 内湾線

湯口徹大先生の、鉄道友の会「島秀雄記念優秀著作賞」受賞を記念しての、クローバー会の祝賀会に参加後、自宅でTVを見ていますと、台風8号が台湾に上陸して、大きな被害が出ているとのニュースを見ました。

台湾の河川は、山から海までが、極めて短く、標高差が大きく、また直線が多くなっているので、普通の降雨でも、一気に濁流となります。そのために、川幅を広くとっていますが、台風時や、最近のゲリラ豪雨は、想定外の水量となって、鐡道橋梁に重大な被害を及ぼし、山間部では、土砂崩れが多発しています。

直ぐに、インターネットで、現地被害を見てみましたら、史上最悪の被害が、各地で続出しています。大きな土石流で、村自体が埋まり、数100名の不明が伝えられています。河川際の8階建てものホテルが倒壊して、激流に飲み込まれたニュースを見られた方も多いと思いますが、場所は、台湾南東部の南廻線(台東~枋寮)、知本温泉のホテル金師飯店です。

現在、懸命の復旧作業が行われていまして、被害を受けた、台鐡各線も開通見込みですが、南廻線は、橋梁流失もあり、被害が甚大で、開通見込みすら、たっていません。

台鐡の大動脈、西部幹線は、台北~新營間で、優等列車の折返し運転をしている状況です。早く復旧した高鐡新幹線が、増発と、普通車の全車自由席対応で、旅客輸送を代行しています。

日本の豪雨での被害も、多大ですが、日本と比べて、地形が自然災害にあいやすい台湾は、もっと大変な状況です。不幸にも、災害にあわれた両国の方々に、ご冥福と、1日も早い復興をお祈りいたします。

さて、台湾鉄道全線乗車の旅も、第11日目の5月30日、最終日を迎えていました。この日は、内湾線と、台北の奥座敷、烏來温泉のトロッコ列車乗車を目指しました。2回に分けて投稿します。

5月30日(第11日目)
① 台北7:30-(自強號1005)→8:40新竹   180元
② 新竹駅前9:10-(連絡バス)→9:35竹東駅前 48元
③ 竹東10:15-(區間車3249)→10:39内灣   18元
④ 内灣11:45-(區間車3252)→12:06竹東    9元
⑤ 竹東駅前12:15-(連絡バス)→12:40新竹駅前 48元

明日は、帰国日です。台湾鉄道全線走破を目指し、残された日は、今日一日だけです。未乗車区間は、灣線のみと、なりました。勿論、林口線も残っているのですが、こちらは、貨物線で、平日のみ朝夕2本のDCが運行されていますが、営業路線と位置づけていないため、運賃無料となっています。予想外の端午の節句4連休もありましたので、乗りたくとも運行していません。これは、次回としました。

内灣線も、台湾新幹線開業に伴い、竹中駅から高鐡竹中駅への連絡線建設、新竹~竹中高架化、新駅設置等のMTR化のため、2007年3月より、新竹~竹東間の運行が停止されており、バス代行となっています。
工事は、一応2011年完成予定ですが、台湾新幹線の例もあります。国家交通部のチェックも厳格です。その他、過去の例を考慮する、難しいと予測されますが、淡水線のようにMTR化されれば、台鐡でなくなってしまいます。


今日も朝早くにホテルを出発し、台北駅に向かいました。自強號に乗車、昨夜下車した新竹駅をもう1度視察後、代行バス停を探しました。バス停前の朝食屋で、美味しそうな肉まんを買い求めて乗車、バスは、高速道路圣由で、竹東駅に約25分で到着しました。




内灣線は、日本統治下の戦争末期1941年に建設が始まりましたが、資材不足もあって、完成に至らず、、戦後の1947年に新竹~竹東間が開通しました。1950年、合興まで延長、1951年、 内湾まで延長され、全線開通しました。石灰、セメント等の輸送が多かった時は、黒字優良路線でしたが、貨物輸送が途切れた今は、通勤・観光支線となっています。

竹東駅は、煉瓦造りに瓦屋根の一風変わった駅舎です。島式ホーム1面、単式ホーム1面があり、かつては、にぎわったであろう貨物ヤードもあります。そのヤードに1両のタンク車が、留置してありました。察するに、竹東~内湾を往復するDR1023+DR1020、2両1編成の、燃料補給用とみましたが、どうでしょうか。



竹東駅を超満員で発車したDCは、2つの長い鉄橋を渡り、なだらかな登り勾配をゆっくりと走行しますが、九讃頭駅を過ぎると、急に25‰勾配区間に入ります。トンネルを抜け、着いた駅は、かつては、台鐡で唯一だった、スイッチバックの合興です。

石灰石を運ぶ、珍しい空中ロープウェーもあったという構内は、公園化されて、引込線には、旧客車も展示されていました。ホームは、なんと、25‰勾配線上に位置しています。


合興駅からは、右へ右へと、登りカーブが続きます。月台もカーブした富貴駅。1962年に、南河駅として開業したが、2003年に同じ内灣線の栄華駅と合わせて『栄華富貴』=華やかに栄え、財産地位、身分が高いという縁起の良い名前に変えたが、地名を無視した名前になったと、住民反発を招いた、いわく因縁の駅です。右方上がりの駅ですから、それだけでも良いような気もします。



どんどんと、山を登り、町並みが見え出すと、終点の内湾駅に到着です。ここでも、DCと、記念写真を撮るギャル多数がいます。とうとう車内で、話していた女子高校生にも、日本人と会うのは、初めてだったとかで、一緒に記念写真を撮りたいと、言われました。それも、数組からのオファがきました。大陸は、数10回は、行っています。韓国も数回行っていますが、こんな事は、初めてです。やっぱり、どこか台湾は、違ってますね。



駅前は、鐡道以外でも来た、観光客で一杯です。道路の両側は、飲食店がずらりと並んでいます。大陸から移住した人が多く、結構、はじめて見る料理が多く、片っ端から食べました。豚を数匹、丸焼きして並べて、ナイフで切りながら、売っているのは、びっくりしました。これも、中々、旨かったです。


先がありますので、次の折返し列車で、内湾線を後にしましたが、合興駅にも寄りたかったし、また、ゆっくりと来たい所でした。  Part15へ続く

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