井笠鉄道 4題

井笠鉄道の保存車両の近況と井笠鉄道バスの路線縮小についてお知らせします。

(1)新市クラッシクゴルフクラブのコッペル3号機とホハ12

福塩線上戸手駅の北 約1.5Kmの高台にゴルフ場があり、その入口ゲート横に保存されています。

平成25年8月27日 撮影

平成25年8月27日 撮影

この2両は 井笠鉄道廃止後 JR山陽本線備後赤坂駅の北側にあった赤坂遊園という小さな遊園地に保存展示されていたのですが、遊園地が廃園になり、ここへ移ってきたものです。このゴルフ場は急な坂を登った高台にあって、トレーラーに積んでここまで持ってくるのは大変だったろうと思うような場所です。ゴルフ場と何の関係もなさそうですが、ゲート脇のフェンスの中に置かれています。芝生はさすがにきれいに管理されていますが、車両の方はかなり色あせています。

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あえて3号機と書きましたが、このコッペルは赤坂遊園に行ったときに2号機になり、一方岡山の池田動物園に行った2号機が3号機にすりかわっています。なぜそうなったのか経緯はわかりません。いずれにせよ開業時の1913年製(大正元年)のコッペル機3両が100年を経て現存しているのは稀有なことでしょう。ちなみに1号機は旧新山駅跡の記念館にあります。フェンスを乗り越えてまで近づくのがためらわれたため ホハ12の車内の様子などはわかりません。

(2)井原市七日市公園の9号機

井原鉄道井原駅から歩いて5分ほどの児童公園に保存されています。この機関車は1910年ベルギーのCockerill製という珍しいもので 釜石鉱山田中製鉄所の2号機として輸入され、その後井笠に来た経歴の持ち主です。但し釜石時代に原形は損なわれて シリンダーブロック回りに面影を残しているだけだそうです。井笠廃止後も転々とし、今ホジ9が保存されている笠岡駅近くの跨線橋下にいたのですが 何故か京都の桃山城の園内に展示され、今度は井原鉄道開業前の井原駅予定地に展示され、開業後に今の公園に移されました。当初は雨ざらしでしたが、今は一応屋根の下にいます。乗り降り自由ですがそれほど荒らされてはいませんが、塗装はかなり傷んでいます。

平成25年9月14日 撮影

平成25年9月14日 撮影

(3)経ケ丸グリーンパークのホジ101とホハ8

井原鉄道に「子守唄の里高屋」という駅があります。かつてこの高屋駅から東が井笠鉄道、西へ神辺までが神高鉄道だった時代には接続駅だった高屋であり、旧山陽道の宿場町でもあります。この駅の北東約2Kmの山の上に「経ケ丸グリーンパーク」という野外活動型のレジャー施設があります。ここは新市ゴルフクラブ以上に山道が続き よくこんなところまで運んだものだと感心するような場所です。そこで大切に保存されているなら良いのですが、哀れな姿をさらしています。

平成25年9月14日 撮影

平成25年9月14日 撮影

ホジもホハも色あせてしまい、多分意図的に外されたのだと思われますが窓ガラスは1枚もありません。車両のうしろ側は簡単なプラットフォームになっていて、扉も開閉自由なのでクモの巣をはらって乗ることはできます。車内は意外ときれいです。

ホハ8の車内 木製ロングシート デッキ越しにホジが見える

ホハ8の車内 木製ロングシート デッキ越しにホジが見える

ホジ101の車内

ホジの座席は木製になっていますが、まさか現役時代が木製のはずはないので、ここで改造されたのでしょう。破れたビニールシートやバネがむき出しのモケットよりは 保存するにはこの方が正解だったように思います。網棚はしっかり残っていますし、床下のエンジンなども原形をとどめていたようです。大正3年生まれのホハ8は御年99歳、昭和36年生まれのホジ101も52歳を迎えていて この先どういう運命が待っているのだろうと心配になる状態です。

 なお9号機はまだしも、ゴルフ場あるいはこの遊園地に再会に出向こうと思われるご仁がありましたら、ご一報下さればご案内します。仮にも駅から歩こうなどと無謀な振る舞いはお控え下さい。そんな場所ですので念のため。

 (4)福山市内の井笠鉄道バスの路線縮小 

平成25年10月1日 中国新聞朝刊福山版に載った記事をいつものように転載します。赤線を引きましたが 「ファン1人を乗せて出発」とあり まさかFuj氏やFuk氏ではないだろうと思いつつも 思わず写真に眼を凝らしました。

平成25年10月1日 中国新聞朝刊

平成25年10月1日 中国新聞朝刊