2014~2015年 凍える大地への旅 Part11 T304次とK7367次との連続3泊4日乗り鉄旅 豪華な車内食

DSCN7324_100 11:28 乗車3日目となるとすっかり食堂車の常連となり、コック長とも朋友になりました。一般客はトレイに入った車販弁当ですが、小竹先生と私にはコック長から「さあ食ってくれ」と、お任せ料理の数々がドンと出されました。

朋友となると歓迎は半端じゃありません。イヤ~、ここまでしていただけるとは・・、参りました。
しかし、狭い厨房でこれ程、数々の料理ができるとは驚きです。また数多くの材料も積込んでいるのですね。勤務状況をお聞きしますと、この列車の2泊3日の仕業が済みますと4日間の休暇があるそうで、このパターンの繰り返しだそうです。と、いう事はT304次だけでも7組のスタッフを必要とします。メニューはコック長に任されていますので、同じ列車でも乗車日が違うと、7通りの料理が味あえるのでしょうね。

第8~10日目 1月2日~4日 

1月1日 ① 哈密15:08(T304)⇒翌々日18:17長春
1月3日 ② 長春21:02(K7367)⇒翌日6:47図們
1月4日 ③ 図們(Taxi)⇒琿春

1月1日、乗車したT304次乌鲁木齐(ウルムチ)から新疆、甘粛、宁夏、内蒙、辽宁、吉林の6省区を通り4,502キロを2泊3日、56時間50分(12月改正後)をかけて長春に向かいます。
表定速度は86.4km/h、T列車としては一般的なスピードです。
1月2日、夜が開けた朝の車窓は荒涼たる砂漠地帯を抜けて耕作地帯に入っていました。
DSCN7141_100▲ 8:02 明るくなって着いた最初の駅は宁夏回族自治区の首府、银川です。京广線のような高速鉄道が走る大都市間主要線ではありませんが駅舎・ホーム共、リニューアルされて綺麗になっていました。中国鉄路では近代化は地方にも進んでいます。

DSCN7149_101▲ 8:30 食堂車で朝食です。メニューは中国鉄路のどこに乗っても同じ定番のお粥と蒸しパン、ザーサイ(搾菜)です。値段は15元(約300円)、これも一緒です。

パノラマ1_100▲ 9:08 しばらくは耕作地帯でしたがまた荒涼たる大地になりました。山々が見えますが木々が生えていません。かつては茂っていた木を薪木でもしてしまったのか、それとも初めから不毛の大地だったのか・・・。

DSCN7166_102_edited-1▲ 13:19 昼食も食堂車です。これも車販と同じ定食でしたが違っているのはトレイが丸型になって卵スープが付きました。

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▲ 14:10 内モンゴル自治区の包头に到着。银川に続き多くの乗降客がありました。この駅もリニューアルされています。

DSCN7182_105DSCN7184_106▲ 16:06 2010年に新しく完成した呼和浩特東站に到着。呼和浩特站は現存しますが通過する列車が多く、全列車が停車するのは東站で、呼和浩特の玄関口はこちらに移したようです。ここでも多くの乗降客が見られました。

DSCN7187_200▲ 20分間の長い停車です。小竹先生は車窓を撮るのに窓が汚いと窓拭きをされます。私も水を汲んできてぶっかけます。最後は列車乗務員から雑巾を借りて仕上げました。

DSCN7191_108左は列車内に掲示されていた沈阳客車区内の時刻表です。東北地区の列車ダイヤが掲載されていますが、2014年12月10日実行となっています。改正はこの日に実施されたのですね。
DSCN7207_100▲ 17:48 集通線の起点、集宁南に到着。小竹先生から集通線撮影の思い出話をお聞きしながら食堂車へ。

DSCN7214_110DSCN7227_115▲ 18:20 連続3泊4日の乗り鉄旅となりますと楽しみの1つは食堂車の食事です。すっかり顔なじみとなったようでスタッフが歓迎で迎えてくれます。

今夜はコック長がテーブルまでお出ましで特別に一品料理のオンパレードを次々に並べてくれました。他の乗客の料理はトレイに入れた定食でしたので我々は特別な客なのかと、唖然として見ておられます。白酒も調理場から持ってきた新疆の物です。

DSCN7219_200昨夜、今日朝とスタッフたちとコミュニケーションをしていたのが効いたようで、すっかり気にいられました。
以前に仕事で北京鉄路局の局長と朋友だった時に食堂車を貸し切って特別料理を振る舞われた経験がありましたが、個人旅行でこれほどの歓迎は初めてです。記念写真を撮り合っての楽しい宴になりました。

【 乗車3日目 】
DSCN7295_117DSCN7298_118▲ 9:34 集通線は夜間の走行で車窓からは見る事は出来ず、北の起点の通辽に到着しました。

ここでも多くの乗降客が見られました。

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▲ 11:45 食堂車から見る車窓は東北の風景に変わっていきます。積雪は殆どありませんが厳寒の川は全て凍っています。鉄橋下の凍った川では車で乗り入れている人民がいました。反対側を見ますとソリで遊んだり、氷に穴をあけて釣りをしている家族連れの姿が見られました。また鉄路沿いには数多くのトーチカが残っていました。日本統治下時代の1925年に建設された大虎山~鄭家屯を結ぶこの路線(大郑線)は、石炭埋蔵が多い重要路線だったそうで、抗日運動の標的にされました。鉄路を守るためにトーチカが設置されたようです。

DSCN7333_122▲ 12:14 泡子站に到着です。今までと違っての石造り建築の駅舎が印象的でした。1927年に開業しています。

DSCN7400_1▲ 18:14 終着駅長春に早点。乗継ですが一旦改札を出てから再度の入場です。次の列車発車までは3時間弱ありますので携帯電話屋を探すことにしました。

長春裏駅に出ますと超市(コンビニ)の中に携帯電話屋がありました。ipad用のSIMカードを欲しいと説明しますがよく分かってもらえません。王さんに電話して通訳してもらいますと2年間有効なSIMを360元(7,200円)で購入できると分かりました。ipadに挿入していただきますと無事にインターネットが開通しました。今回は難儀したSIMカード購入でしたがこれでどこにいるのか、またレザリングを利用してPCにもつながってくれます。これで万全となりました。

後は夕食ですが、次の列車は食堂車があっても営業していないと思われますので駅横の餃子屋に入ってビールを飲みながら待つ事にしました。

DSCN7409_124▲ 20:27 哈大高速鉄道開業によってリニューアル完成した長春站2階待合室へと参りました。室内は沈阳站とほぼ同じ作りの橋上駅となっています。

DSCN7419_125▲ 探すのにいつも難儀する時刻表ですが、ここでは何と山積みで置いてありました。但し最新版と言えど10月号です。

DSCN7426_100▲ 20:40 発車22分前に改札が開始されました。K7367次は長春⇒図們ですが長春~北京のK216/K215と同じ編成で併用使用されています。これなら食堂車が編成にありますが、営業は予測通りされていませんでした。
図們までの走行距離は529キロ、所要時間は9時間45分、表定速度は59.4km/hと快速列車だけにゆっくりです。この列車は需要が高いようで同じ車両で席が取れず小竹先生とは離れ離れになりました。同室の方とはご挨拶をしただけで直ぐにベットに入り、PCで映画を見ながらの就寝でした。

DSCN7439_100▲ 6:47 定刻に図們到着。殆どの乗客は手前の延吉で降りられましたので終着駅まで乗られているのは2割方です。これで小竹先生と一緒の哈密から図們までの連続3泊4日の乗り鉄旅は終わりました。乗車距離は5,031キロ、乗車時間は66時間35分でした。

図們駅_100 DSCN7444_100▲ 6:50 まだ夜が明けきらない図們駅前です。改札出口では小竹先生と、これから通訳としてご一緒していただく延吉大学4年生の綺麗なお嬢さんとお会いできました。お名前は姜さん、延吉から乗車されていました。

これから我々が向かうのはロシアとの国境の街「琿春」です。2年前にも行きましたが今回は中国・ロシア・北朝鮮3国の国境を目指します。
まずは腹ごしらえです。駅前の食堂へと向かいました。    Part12に続く

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