韓国の鉄道

去る8月、韓国に行く機会を得た。鉄道旅行ではなかったので、ソウル釜山のKTXくらいしか乗る機会はなかったが、このデジタル青信号でも韓国の鉄道は、あまり登場しないようだ。そこで、少しだけだが報告させていただきたい。

KTXⅠ ソウル駅

 韓国の新幹線KTXは、フランスの技術が導入されており、本家TGVによく似ている。前後が動力車だが全部で20両もあるのでかなり迫力がある。初期に導入されたタイプは、狭いとの評価だが、そんなに気にならない。ただ集団見合い式のシートは、進行方向逆の座席だとどうも落ち着かない。かつての京浜急行2000型も改造前はこのようなタイプだった。改良型というKTX山川(サンチョン)は、韓国の独自技術で設計製造されたとのことだが、狭いという評判を気にして?か車体も大きくなり、シートピッチも拡大されたという。この新型に乗る機会はなかったが、個人的にはフランスから導入されたタイプ(Ⅰ型)のほうがシャープなデザインで好ましく思えた。

KTXⅡ(山川) ソウル駅

ムグンファ号 ソウル駅

広大なソウル駅を後にして、すぐに龍山駅に停車する。東海道新幹線ならさしもの東京、品川といった感じか。しばらくあまりスピードの出ない在来線区間を抜け、新線区間に入るとがぜんスピードを増す。あとは主要駅である大田、東大邸などなじみのある駅だが、新慶州など新しい駅にも停まる。どうもかつての在来線とは勝手が違うようだ。
あれよあれよという間に釜山に着く。この間、2時間32分。もっと停車駅の少ない列車だと2時間15分で走破する。
釜山では、少し時間があったので、センタム駅、釜山駅で撮影する。韓国では、駅のホームで撮影者を見かけることもなく、日本や台湾のように鉄道趣味が広く認知されているようではない。今や釜山でもコレイル(韓国鉄道公社)の電鉄線が運行されている。ただ、ソウルのそれは10両編成だが4両編成であった。

電鉄線の車両

ITXセマウル号 210000型

ムグンファ号 こちらはディーゼルカー ここまでの3枚はセンタム駅で撮影

かつては特急から鈍行までセマウル号、ムグンファ号、トンイル号、ビトゥルギ号と列車の体系があったが、急行(準急)と鈍行に相当するトンイル号、ビトゥルギ号が廃止され、寝台車、食堂車も廃止されてしまっている。しかし一方、セマウルやムグンファから派生したKTX、ITX、SRT、ヌリロ号など新しい流れの列車も現れてきている。また、列車に乗ることそのものを楽しむ東海岸の海列車やOトレイン、Vトレインなども現れてきており、ムグンファ号には食堂車がない代わりにカフェカーなる売店車を並結している列車もある。日本では最近、好評を博しているななつ星や四季島などの豪華クルーズトレインも韓国のヘランの方が先駆けている。

ムグンファ号 釜田駅

 

ムグンファ号 釜山駅

ムグンファ号 釜山駅

トンイル号、ビトゥルギ号がなくなった分、ソウルや釜山の都市電鉄線はますます充実し、乗ることがかなわなかった軽電鉄も両2大都市で運行されている。
今回は、久しぶりにでもほんの少ししか韓国の鉄道に触れることが出来なかったが、ソウル釜山を5時間かかる客車列車のムグンファ号や観光列車のOトレインVトレインにもぜひ乗ってみたいと思っている。

韓国の鉄道」への5件のフィードバック

  1. 写真を見ていると、2004年に故ぷるぷるさんはじめDRFC会員有志とKTX試乗会を楽しんだのが昨日のように思い出されます。開通間なしのソウル→釜山間を通しましたが揺れが激しく、トイレの臭気に驚きました。釜山での工場見学では日本時代の建物や車両などもあって、ぷるぷるさんの質問に鉄道公社の技術者がJR関係者と間違えて緊張していたのも思い出です。

  2. 米手作市様
    コメントを頂戴しありがとうございます。KTXですが、今回あまり揺れた記憶はありません。四半世紀程前に釜山からムグンファ号に乗った時は、激しく揺れた記憶があります。

  3. ブギウギ様、
    トンネル内で上下に振動する、いわゆるビビり振動がありました。ぷるぷるさんによると路盤がゆるいためではないかと言うことでした。それからもう15年近く、経験も積んだのでしょうね。

  4. ブギウギ様
    15年前から毎月のように韓国に行き、釜山から会社のあった亀尾までセマウルで通ったものでした。2010年を最後に韓国には行かなくなりましたが、この間にだいぶん様子が変わったようですね、当時セマウルはプッシュプルの専用ディーゼル機関車が曳いており、ムグンファは大きな音を出して走るアメリカのデッキタイプのディーゼル機関車が曳いていました。写真を拝見すると京釜線のムグンファはスマートな電気機関車になっていて、セマウルは全く新しいものに変わったようですね。韓国は短い期間に新線が開通したり、新車ができたりと移り変わりが激しいようです。また、近況をお知らせください。

  5. 大津の86様
    コメントを頂戴しありがとうございます。かつてのセマウル号の前後についたディーゼル動車は今はなく、ステンレスの客車のみが残存しているようです。電気機関車8200型は、かなり以前に電化が始まった頃、もう40年前?フランス由来のゲンコツ型8000の置き換えで入っているようです。電化の進展も電気機関車を日常見れるようになった一因ではと思います。

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