【90965】客車廃車体訪問記 北海道編2

第1回に続き、道南いさりび鉄道(旧江差線)沿線2題を紹介する。

【ペンション宵の明星 2両】

スハフ44 9(左)  オエ61 50(右)  1997年8月10日撮影  41.746343, 140.601257(Googleマップから取得した緯度・経度である。Googleマップで検索するとピンポイントで位置を特定できる。)

茂辺地-渡島当別間にあったライダーハウス「ペンション宵の明星」
画面中央背後の斜面の上方に江差線(当時)の架線柱が見えるが、列車から客車は少ししか見えないと思われる。青く塗られているが、オエの両妻面とスハフの連結面側妻面は茶色で、標記類も残っていた。2両共台車は無し。帰宅してから気が付いたのだが『Rail Magazine』160号(97-1)p.124に1996年の写真がある。青色ではなく茶色でオエ61 50の標記も読める。ということは、前年のシーズン後~今シーズン前に青く塗ったことになる。妻面は狭いので省略したのであろう。海側は樹木が多く、山側は斜面が迫って、撮影し難かった。
手前の看板には、三木露風の「葛登支岬」と題する詩が書かれている。三木は渡島当別のトラピスト修道院の講師をしていたそうである。ここより一段低い国道に面して食堂があり、オーナーと思しき老夫婦に客車について質問してみたが、何を聞いても「焼きそばならできる」としか返事せず話が噛み合わないので諦めて「焼きそば」を注文した。出てきた焼きそばは胡瓜の漬物が大量に付いて、「焼きそば付きの胡瓜の漬物」と言えるシロモノだったが450円で旨かった。また、ここは同年10月11日に再訪したが、ライダーハウスとしてはもうシーズンオフに入ったようで、食堂・客車全てに鍵がかかっていた。
その後時期不明であるが2両共解体、撤去された模様。現在は、屋号を変更したらしく「列車ペンションききょう」と書かれた建物だけ残存。

オエ61 50  2-4位側
◆ナハ23286→スハニ62 42(1956年旭川)→オエ61 50(1975年五稜郭)→1987年廃車。
長万部貨車支区の救援車だった。荷物用扉の幅は2,200㎜に拡大されている。妻面は茶色、標記が残っている。妻面貫通路は両側とも埋込、3位出入台扉埋込、4位出入台扉はシャッターに取替、屋根は救援車時代と変わらず1・2位寄りに救援車の煙突も残存している。手前のストーブの煙突は当地に来てから付けたもの。2位寄りの救援車時代まであった便所は締切。宿泊客用のトイレは外にある。1位出入台を入った所に洗面所を作り、スハニ時代の座席部分は絨毯敷きで2段ベッドがあり、荷物室部分は絨毯敷きのやや広い部屋であった。

スハフ44 9  1-3位側
◆スハフ44 9(1952年日車)→1987年廃車。
車掌室側の妻面は青く塗っていた。オエ61同様窓1つおきに網戸のあるアルミサッシの出っ張った窓に取替。残存している窓は2両共二重窓。車内は畳敷きで布団を積み上げてあった。

 

【資材置場のオハフ51  札苅-木古内間】

オハフ51 5002  2017年9月7日撮影
◆オハフ51 62(1982年新潟)→オハフ51 5002(1989年五稜郭)→台車改造110㎞/h対応→1999年廃車。
某会社の資材置場にあって倉庫として使用されている。現車は江差線での事故により廃車になった。1-3位側側面中央付近に架線柱と衝突した凹みがそのまま残っている(下画像)。樹木が多く、資材が立てかけてあるので外観が殆ど見えない。
近くの国道228号線沿いに津軽海峡が見える「その」という、感じの良い喫茶店がある。

 

【大沼流山牧場 3両】
オハフ51 5001、オハ515002、オハ51 5003  の3両が函館本線流山温泉駅近くの大沼流山牧場  42.001818, 140.718650 にあったが、2017年8月16日訪問して、現存しないことを確認した。牧場の建物も大幅に改築されていた。

 

客車廃車体訪問記 北海道編2” への2件のコメント

  1. 楽しみだと言いましたが、無残な廃車体を見るととても寂しくてたまりません。
    もう客車を趣味の対象にはできないのでしょうね。

    • 車両に対する思い入れなどとは無関係の要素・事情によってこうなったのでしょう。ホームセンターでは売っていない大きさの物置が、大きさに見合ったコストをかけずに手に入ったという結果だと推察します。
      いずれにしましても現車を見て、複雑な思いで胸を痛めるのは我々だけでしょう。ですが、事故車に限らず無傷の廃車体でも、屋根も無く雨ざらしで手入れもせず「利用」している車両は老朽化がはやく、早晩見ちゃおれん状態になるのは同じです。そうなると皆危険なのでスクラップになります。ここはまず人の目に付かない場所で、樹木に囲まれていますので美観上の問題もないでしょうから、そっとしておくのが一番だと思います。

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