半世紀前の阪急神戸線(2)芦屋川-御影間、併せて今昔対比

芦屋川駅です。前回同様、青信号4号、高橋正雄先輩記述『京阪神急行神戸・宝塚線』を参考文献(*)として引用させて頂きました。
▼芦屋川駅、上り4連普通車最後部 1961年3月11日撮影
【920型920-924(M)、950型950-954】951は戦災復旧車で、以前より平シルであったが、車体は終戦直後の復旧であり完全な出来栄えでなく、更新工事で面目を一新した。通風器はガーランド式で中央一列。Tc車のパンタ取付台は撤去された。台車はこの920型のみ汽車会社のL-17(920型)、L-15(950型)である(*)。
▼同じく950型4連、上り特急、芦屋川駅を通過中。1961年3月11日撮影▼現在の芦屋川駅上りホーム 2017年12月10日撮影
▼芦屋川駅西端 下り普通車4連最後部。1961年3月11撮影
【929型929-933(M)、959-963(Tc)】解説は前回紹介の929型に同じなので省略します。
▼上り900型4連特急が芦屋川駅に近づきました。1961年3月11日撮影
【900型900-919(M)】戦前における阪急の基本形といえるもので、製造当初は転換式のクロスシート車で、特徴のある大きな日立製のパンタグラフを使用しており、 車体は当時としては非常に合理的に作られ、昭和初期に於ける高速運転車両として誇るべきものである。現在900~909は梅田向きの片運転台式に、910~919両運転台式に改められているが、乗務員用扉はそのままである。昭和29年の事故を機会に昭和29年より33年にかけて定期更新が行われ、アンチクライマーや水切り等を改め、ウインドシルは二段シルを平シルに変更、リベットレスとした。又600+650型との台車、モーター等の振替工事等が行われ、現在のところ900~904がH-5D,905~914はH-50、915-919がL17を使用している。920型との3輌連結に、又神戸線5輌連結に際しての920型4両連結への増結車として貴重な存在であることは衆知のとおりである。(*) ▼同じ場所で、900型909が先頭の上り4連普通車。 同日▼現在の芦屋川駅西端 上の画像とよく似た瓦葺屋根が残っているように思えます。
▼さらに西隣り岡本駅です。上り1000型5連特急 1961年3月10日撮影
当時神戸線の特急停車駅は、西宮北口、十三だった筈だから、この岡本駅は通過中です。1000型全般については前回を参照願います。

【1010型1010~1028(1017を除く)、1017型1017,1025,1027,1029(Tc)】新しい阪急の標準車体にFS311台車を付けた1010型は、全電動車方式として造られたが、就役後出力に余剰を生じ、その後は3M1Tとして使用されている。近く中間付随車を増結し3M2Tとして使用することになっている。目下はギヤレイシオを変更中である。パンタグラフは連結側に付けられ、屋根側面に並んだ換気用のダクトは今までに見られなかったものである。1018、1019はFS320
1020.1021はKS-52、1029はFS324台車をつけている。詳細は青信号1号(筆者注、創刊号)23pを参照されたい。

▼現在の岡本駅西端 進入してきたのは2代目1000型
▼同上特急最後部 同日
▼上り810型4連普通車 同日
【810型810-813(M)、860型960-863(Tc)】神戸線に戦後就役したクロスシートの車両であるが、昭和34年に夫々ロングシートに変更された。複電圧車のため時折正雀工場へ車輪削正に入場している姿が見られるが神戸線用車両である。京都線の710型と同系である。端面は805型に採用された非貫通式は採用されず、再び貫通扉付きとなった。客室と運転室の仕切り扉を新設、以後の標準車体においても採用されており、これは貫通扉を開いた時の運転室と貫通路の仕切りとなるものである。(*) ▼現在の岡本駅上りホーム▼岡本-御影間の住吉川橋梁を渡る950型952 1961年12月23日というところが、半世紀前1961年の神戸線800、900、1000型車両と夙川-岡本間でした。

 

半世紀前の阪急神戸線(2)芦屋川-御影間、併せて今昔対比」への1件のフィードバック

  1. tsurukame様
    芦屋川、岡本、御影は前回の夙川を含め高級住宅街のイメージがありますが、今回の3駅は降りたことがありません。高級住宅街に友人がいなかったからでしょう。阪神の芦屋は確か芦屋川の上に駅があったように思いますが、阪急の芦屋川も駅名からして駅下に川が流れていたのでしょうか。私の通学に利用した仁川、逆瀬川は駅下ではなく駅横とでもいいましょうか駅を出て直ぐの所に川が流れています。いずれも六甲山系からの流れて砂地の急坂のような川です。
    さて、900、920型に混じって810型が出てまいりましたが写真の車両のMc810~813及びTc860~863はクロスシート車でした。運用の都合で2連で今津線に入ったことがありよく覚えております。京都線710型と同じ初めての阪急統一設計の車両ですが、台車が従来型のイコライザ-タイプで少し残念に思っておりました。これに対して814型とも言われるMc814~822及びTc864~872は新型のゲルリッツ台車で重厚な感じでしたがこちらはロングシート車でした。800、900、920、810型の吊り掛け特急はこの頃はまだまだ健在のようですね。600Vとは言え凄い高速で走っていました。1010系1018、1019の台車FS320と1020、1021の台車KS52は空気バネでありわざわざ台車の写真を撮ったことがあります。今回も懐かしい車両写真有難うございました。

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