北の大地へ2010年初夏編 Part6 根室本線

第7日目 2010年6月30日
① 厚岸6:47(快速「はなさき」3625D)→8:13根室
② 根室8:22(5628D)→9:49厚岸

昨夜からの小雨が続く朝を迎えました。起きて直ぐにTVをつけて、昨夜のワールドカップの結果を聞きました。結果はご存知の通りですが、もし見ていたら興奮して寝られなかったでしょうね。
友は「天候に恵まれない雨の日こそ、めったに見られない光景を写せるチャンスがある。」と、有名な鉄道カメラマンの言葉を言いますが、小雨に加えて霧も出れば、白い世界しか写らない。どうしたらいいんだと言いたくなります。しかし行動を起こさないと、チャンスは生まれてきません。他のオートキャンパー達が眠る道の駅「厚岸グルパーク」を出発して厚岸駅に向かいました。

まず未乗車区間の厚床(標津線起点駅)~根室間乗車とロケハンが目的です。乗客はキハ54-524、1両に我々入れてたったの10名です。
厚岸駅で釧路に向かうキハ54-518+キハ54-516の3625Dと交換しました。島式ホームに上下線の列車が発着できるようになっていますが、1番線は、駅舎側にもホームが新設されていて、改札口からバリアフリーで乗車できますが、根室方面は跨線橋を渡らなければ乗れません。

乗降客は、一日1,000人に満たない駅です。全国のローカル線同様に、乗客は高校生か車の運転できない老人が殆どを占めます。高齢者は階段を上下するのは苦痛です。そのため都市圏の駅は、エスカやエレベータが設置されて、バリアフリーの使い易い駅にリニューアルされてきていますが、ローカルでは手付かずで費用対効果は少なく、もし事故等で閉じこめが発生した場合を考慮すると、設置されることはないでしょう。
通行量の少ない道路に横断歩道と使われない横断陸橋があって、昨今無駄な投資だった、また維持費削減のために撤去されています。同様に、通過列車もないようなローカル駅では跨線橋は不要です。不便な物を設置しているから乗客離れも進む一因にもなっています。スロープで線路を横断して対向ホームへ行く昔からの方式に戻し、跨線橋は取り壊すべきと思っております。

乗車後は、最後部からの車窓に釘付けです。厚岸を出ると厚岸湖沿いを走り、別寒辺牛湿原の中を走ります。晴れていれば絶景なのでしょう。それでも小雨と霧で白く霞むバックに、線路沿いの新緑が単調ながらも美しい流れとなって演出してくれます。落石~昆布盛間も太平洋が眺められる絶景の車窓ですが、深い霧が阻みました。

▲ 人家もない原野の流れる新緑の中を列車は走ります。
▲ 7:05、茶内に到着。根室からの始発列車5624D(キハ54-524)と交換をしました。次発は9:30ですので、この列車が唯一の通勤通学列車です。8人が乗り込みました。
学生時代は、まだ馬車鉄道に始まったナローゲージの浜中町營軌道のかわいいDCが、1972年まで走っていました。湯口先輩の著書「簡易鉄道見聞録」に詳しく掲載されているそうですが、古書店にもなく、インターネットで調べてみると、復刊を望む声がありました。

▲ 7:32、標津線の起点駅だった厚床に到着。かつての広い構内は、2面2線のみが残っていました。

▲ 落石駅は、駅舎がありましたが、他の駅はあってもワフが置いてあるだけでした。

8:13、88.8kmを1時間26分で到着しました。駅周辺をゆっくりと散策したいのですが、9分後に釧路行きが発車します。その次は、2時間50分後ですので、撮影に影響します。

折り返す列車の運転手が同乗していましたので下車後に話してみますと、釧路~根室間はエゾシカ出没が多く、一日1頭は衝突してしまう。昨日は、2頭が天国行きになったと嘆いておられました。帰りの列車は、3回も急ブレーキをかけて衝突を回避しました。毎回これでは、運転手も大変ですね。義経号のように前頭部にカウキャッチャーが必要です。

▲ 厚岸駅に戻ってからは、隣の木造駅舎の糸魚沢駅を見学しました。珍しく木彫りの駅名表が掲げてあって、アイヌ語で「イトウのいる川」と言う意味だそうです。

▲ 最初の撮影列車は根室行きでしたので、別寒辺牛湿原の川沿いの斜面を登り待ちました。晴れていれば、絶景の撮影地らしいですが、ご覧のように霧の中からライトが見えて11:52、キハ54-514の快速「ノサップ」3631Dがやってきました。

▲ 次に選んだのは、市街地を抜けた厚岸湖畔。線路沿いを歩き、電柱が真っすぐに立っていないカーブにしました。12:21、キハ54-516の快速「はなさき」がゆっくりと通過しました。

これも今日の宿は天気予報を見て、昨日に釧路のスーパーホテルを予約しておきましたので、風雨が強くなっても安心です。撮影地は、濃霧の落石~昆布盛間を諦めて、厚岸~糸魚沢間に絞り、午後は厚岸~釧路間をぶんしゅう7号での各駅停車の旅としました。

▲ 13:19、尾幌駅に到着。待合室はワフですが、外装のイラストがかわいい。車内もきれいに塗装、清掃されていました。ワフでもこんな待合室なら大歓迎です。13:26入線してきたのは、厚岸始発のキハ54-515の5632Dです。

▲ 13:38、5632Dを追いかけるように上美幌駅に到着。キハ54-518の5635Dと交換光景が撮れました。

▲ 14:10、別保駅に到着。なぜかナビは、反対側を指示していたので、かつての駅舎は逆側だったかも。
14:38発の5634D(キハ54-507)を撮影後は釧路へと向かいました。

早め釧路市内に着きましたので、太平洋石炭販売輸送㈱臨港線が動いていないか確認に行きましたが、昨日と同様の光景です。
16:00、諦めて勝手丼が有名になった、和商市場を見学に行きました。花咲・タラバ・毛ガニがずらりと並ぶ威勢のいい魚屋さんが、これば美味しいと試食、試食のオンパレードで、それだけで満喫しました。それでは申し訳ないので、丼に酢飯を購入して魚屋に戻って好きな刺身を入れてもらった勝手丼を食しました。

ホテルにチェックインする頃には、雨も本降りとなりました。このホテルは、一階に天然温泉があります。久しぶりに早めお風呂にゆっくり入り、床につきました。たまにはこんな日もないと、老体が消耗してしまいます。 Part7 へ続く

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