【93586】 地図を携えて線路端を歩いた日々 -22-

今川で下車したあと、未舗装の国道を通って、海岸沿いを桑川方面に南下しました。
まもなく、“笹川流れ”の語源となった笹川を渡ります。川に沿って少し山手の小高い丘へ登ると、トンネルを抜けて、築堤に掛かる羽越本線が眼下に広がります。日本海の強風から守るためか、屋根に石を置いた民家や、藁葺き屋根の民家が混じり合った光景が見えました。 小さなトンネルが連続する桑川~今川、トンネルを飛び出た瞬間、家並みの向こうにチラリと見える、紺碧の日本海が印象的だった。C57 181〔酒〕牽引の客車回送列車(昭和44年8月)

1900生さんからコメントをいただいたように、羽越本線は、大阪・上野から、青森方面に向かう優等列車が数多く運転されていた。貨物列車も、関西から東北・北海道へは、当時から日本海縦貫線がメインだった。ローカル旅客列車も加えると、列車密度は高く、単線区間の多い同線では、もうネットダイヤ状態だった。
左に見えるのが、未舗装、素掘りのトンネルの道路、現在の国道345号に相当する。その当時は地方道だったのかもしれないが、現在でも、この地方の基幹国道となる7号は、ひと山向こうの5キロほど東を通って勝木付近で海岸沿いに合流している。3878レ D51 28〔酒〕(昭和44年8月) 

 

岩が露出した断崖のトンネルから出た1892レ、D51 1060〔新〕(昭和46年2月)

 

 

 

 

C57189〔新〕牽引、新津発秋田行き835列車。羽越本線の全線、新津-秋田を走り通す普通列車は、上下各4本あったが、すべて客車列車であり、まだDCは、短区間の輸送にとどまっていた(昭和44年8月)。
832レを牽いてやって来たのはC57 1〔新〕。その後に名を成すC57 1だが、当時は特別な存在ではなく、新津区に14両もいたC57のうちの1両に過ぎなかった。植樹祭開催の際にお召を牽いて注目を集めるのは、その3年後のことだった(昭和44年8月)。

 

 

 地図を携えて線路端を歩いた日々 -22-” への6件のコメント

  1. 特派員氏の写真を見ていると鉄道というより鉄道のある風土が大好きなのだな、と思います。地方の自然、そこに暮らす人々、繰り返す季節の中に鉄道が生きていることを痛感させられる写真です。音や匂いが出てくる写真を楽しみに見ています。

    • コメント、ありがとうございます。米手様とは、梅小路の闇夜でお会いして以来、まるでホメ殺しのような賛辞を頂戴し、涙ぐんでいます。でもお書きのとおりで、私は写真を撮る場合、鉄道車両だけでなく、鉄道を取り巻く環境・風土に興味があります。ですので、そこに消えゆく車輌が入る必然性はなく、いつの時代でも鉄道写真を楽しむことが出来ます。これからも、音や匂い、時には臭いのある写真を撮り続けたいと思っています。

      • 総本家青信号特派員さま
        ご趣旨に同感し諸手を挙げて賛同致します。車両主体に撮っておられる方も居られますが、人それぞれの価値観ですのでそれはそれとして、やはり生活に繋がった雰囲気や構図こそ鉄道!写真の真髄ではないかと小生も思っています。とはいえ中々撮れるものではないと思いますが、総本家特派員さまの写真はいつ拝見してもそんなムードが漂ううえに、しっかり懐かしい車両も写っていて、雰囲気の良いものばかりだと受け止めています。小生はムービー派でどうしても車両主体になりがちですが、そうならないようにやはりできるだけ美しい風景の中を走る列車が撮れる構図を心がけており、止むを得ない場合は駅撮りなどでたまの車両主体になることもあります。
        ただこういう撮り方をしていると、例えば先の東北大震災の場合など、発生の半年ほど前に常磐線でED75を撮ったものの、やはり被災された方々の心情を思うと暫く観る気になれませんでした。最近やっと被災前の風景を残せたのかなと思えるようになって、ようやく編集に着手できたというようなことにもなりかねません。しかしやっぱり生活感や景観美という要素は外せないと思っています。
        引き続きそのような記録をご紹介頂けるのを楽しみに期待しております。

  2. 総本家青信号特派員様

    『笹川流れ』の続編、何時もながらまるで絵に描いたような情景描写に癒されてます。
    今回のタイトルバック写真も本当に引き込まれる『絵』ですね。
    構図、絞り、ピント、タイムの全部がバッチリ(古い言葉でスミマセン)で、羨ましい位の作品です。
    その裏に有ったと思われる苦労は本当に測り知れない事でしょう。
    続く勝木付近や835列車、C57 1の牽く832レの各葉にも本当にウットリです。

    • 河さま
      いつもデジ青に注目していただき、感謝申し上げます。ホームページの投稿は、デザイン上の制約が当然あり、印刷物のような多様なデザインは出来ませんが、タイトルを写真に載せたり、写真に大小を付けたりして、投稿者の個性が感じられるものを目指しています。個々の写真の精度については、これは、デジタル化に依るところが大きく、多少のピンポケや露出不足でも救済できるのは大きいですね。あと、トリミングも多少の粗れを気にする必要がありませんから、大胆な拡大トリミングも出来るようになりました。あと、画面の傾きは、かなり注意しています。ちょっとでも傾いていると、写真が稚拙な印象を受けますので、物理的、感覚的な両面から傾きをチェックしています。

  3. 総本家青信号特派員様

    そう言えばそうなんですね。
    IT時代にも結構適応しているつもりです(一応スキャナー・Canoscan 9000F markⅡを持っています)が、写真の精度をサワレル事は知りませんでした。(もっとも小生のは普及品で、その機能が有るのか無いのかも不勉強状態ですが。)
    と言うのは、小生に取ってスキャナーは宝の持ち腐れ状態で、2年ほど前に購入したまでは良かったのですが、1~2回使用したのみで、その操作の煩わしさに閉口したためです。
    その後は放置状態ですので、ピンボケ補正のスゴ技については知識も体験も無いまま終わりそうです。(笑)

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