寒中北海道見聞録 半世紀前の旅-4号車

明けて2月27日、今日は札幌近郊の私鉄見て歩きであり、勿論お目当てはカマであります。コースは大夕張鉄道の大夕張炭山、夕張鉄道(または夕鉄とも記しています)の鹿ノ谷で、あとは乗り鉄で札幌に戻ってくるということにしました。

ところで、この寒中北海道号は少々遅延気味であるので、4号車では欲張って札幌を離れて道東に行くところまでをカバーすることにしました。相変わらずのすかたん珍道中で、この段階では寒い北海道を鉄道で旅をし、鉄道を楽しむというレベルに達していないのですね。そういう目で見て欲しいのです。もたもたしていると春になってしまいます。急がなければ・・・。

■大夕張に向かう

先ず、7:35発「夕張1号」で大夕張鉄道に向かって出発。

←岩見沢(夕張) キハ22314①+キハ22210増 続きを読む

小湊鐵道キハ5800型

かつて、ホームカミングデーで湯口先輩が講演会で、「日本の気動車は国鉄(鉄道省)が独占的に開発したため、ヨーロッパに比べて著しく遅れてしまった。それは現在の出力不足につながっている」と話されたように思います。
今回のキハ5800でそのお話を思い出しました。

 50年前の撮影地を歩く -15-

米子

4月に行われる木次線ツアーには多数の申し込みがあると聞いています。その際には、さまざまなサプライズ企画が用意されているとのことで、私も一部で協力させてもらいました。ここで木次線のことを書きますと、ネタバレになりますから、その関連で本稿を進めましょう。ちょうど50年前の昭和41年夏ですが、山陰地方を家族旅行で訪れたあと、途中から一人で、米子機関区、日ノ丸自動車法勝寺線、木次線を訪れ、夜行「ちどり」に乗って、広島、呉線を訪れました。初めての長距離一人旅でした。
得るものは多かったものの、いまは無残な状態でフィルムが残っています。この時、初めてのフィルムを自家現像したところ、真夏なのに液温調整もせずに現像して、超オーバーネガになったうえ、水洗不足がたたって、今や悪臭漂うビネガーシンドローム状態、最悪の仕上げとなって、隔離されて置かれています。見苦しい画像が続きますが、米子の50年前と現在を比べてみます。
▲ 石見益田発西舞鶴行き544列車が米子駅に到着する。牽引するのは、C5763〔米〕+C5728〔浜〕の重連、いずれも集煙装置付きのC57だ。続くのは荷物車代用のワキで、山陰本線ではよく見られた光景だった。

続きを読む

凍える大地への旅 2016年 Part7 三道嶺の火の玉列車を撮る④

毎晩第6日目 12月14日

三道嶺滞在も4日目を迎えました。三道嶺を離れるのは明日ですが移動のため火の玉列車を撮影できるのは今日が最後の日になりました。今までは朝の撮影はパスしてきましたが最後の機会なので見ておこうかと参加することにしました。

▲ 8:08 撮影地③ 夜明け前の東站
哈密と北京では実質2時間の時差がありますが、中国ではどこへ行っても同じ時間で時差は設定されていません。北京ならこの時間はもう明るい朝を迎えていますが、哈密ではまだ夜明け前の暗い朝です。運行される列車の発車站、東站では仕業へと向かう列車がまだ休んでいました。
続きを読む

 さよなら 京都のツーステバス

久しぶりにバスの話題をひとつ。
今日は、佐竹さん「東北展」の片付けに、有志会員とともに行ってきましたが、その帰り、京都市バス車両の最後を見届け行ってきました。そのバスとは、乗降口が2段になっている高床式のツーステップバスで、残っていた1両がこの日、最終日を迎えました。平成7年式のバスで、実に22年も前に製造されたバスで、公営バスとしては、日本最古の部類に入るでしょう。
ほかの都市では、とうの昔に姿を消したスタイルですが、京都は、大阪府・兵庫県の市町のように、排気ガス規制の対象地域に該当せず、大事に使われて元気に走り回っていました。しかし、2016年度の新車両が導入され、ついに最後の運行を迎えたのでした。京都市交通局では、ホームぺージで最終ダイヤを載せるなど、古参バスに異例の対応を見せました。
本日ラストランの京都のツーステップバス、九条営業所所属の6261号車、いすゞKC-LV280L型、ボデーは、アイケイコーチで架装されたキュービック型、左右に三角固定窓を設けた独特のスタイルも見ることができない。

続きを読む

凍える大地への旅 2016年 Part6 三道嶺の火の玉列車を撮る③

第5日目 12月13日

13:00 今日もお昼までゆっくりで昼食から参加です。

▲ 13:30 いつものウイグル料理屋で注文したのはラグメンとタンドリー窯で焼いたサムサです。中には羊肉とたまねぎが入っていますが、皮のパリパリ感とジューシーな中身がコラボしてとっても美味しいのです。私はラグメンよりもこちらの方が好きです。具材は違いますが、台湾・台北の夜市で見かける胡椒餅とよく似ています。
続きを読む

白牡丹の酒蔵が国登録文化財に

平成26年12月のクローバー会広島ツアーで見学させて頂いた西条の白牡丹酒造の延宝蔵など一連の施設が国登録文化財に登録されるそうです。今朝の中国新聞朝刊の記事です。

平成29年3月11日 中国新聞朝刊

鉄道とは関係がない話ではありますが、我がクローバー会は多くの国宝を有しておりますが、登録文化財は初めてのようですのでご紹介しました。なお記事中の島治正社長は弟君で酒造を、島靖英社長は販売会社を受け持っておられます。

平成27年12月5日 ツアー当日 白牡丹酒造前に到着した一行

凍える大地への旅 2016年 Part 5 三道嶺の火の玉列車を撮る②

第4日目 12月12日 その1

今日は年を考えて早朝、東駅での撮影をパスして部屋で熱いシャワーを浴びたりでゆったりしました。何回も来ていますのでいくら煙を見たといっても同じ光景を見ての感動は高揚しません。今回は陽が沈む午後7時前後が全てですのでスイッチを入れるのは午後6時半と決めていました。

10:40 撮影を終えて皆さんがホテルに戻ってこられましたのでチャーターバスに乗り込んで露天掘りへと向かいます。夜のお立ち台から南へ少し行った坑口站としました。
▲ 11:13 撮影地⑦ 昼前になってようやく陽が当たりだした坑口站付近、 東露天鉱から石炭を満載して上がってくるJS8225号機牽引お運炭列車、サミットはもうすぐです。
続きを読む

寒中北海道見聞録-半世紀前の旅物語 3号車改

倶知安(暫くは紀行文だけ。翌号になるまでは、先ず読んでくれ給え。写真が見つかれば挿入します) ※写真を3枚追加して、タイトルを改としました。見てあげて下さい。

「ニセコ3号」は雪の吹き荒ぶ倶知安に4分遅れで到着しました。零下10何℃の風雪が容赦なく舞い込み、煙とシンダーが飛んでくるキャブで奮闘した機関士、機関助士の皆様、大変だったと思います。感謝の念も言わない間にまたしても、川中がTri-Xで発車の時を撮るのだという。こんな馬鹿者は放っておくしかないので、好きなようにさせ、2人の荷物を誰もいないホームで見張っているときに、ワタシに少なからず好奇の色を浮かべた「ニセコ3号」の車掌が2人近づいてきた。「山登りか?」「いや、汽車の写真を撮りに来たんです」さらに「今、仲間の2人がこの発車を撮りに行ってます」と言うと、「こんな寒いときにご苦労なことや。 いつ来たん?・・関西弁ではないので少し違うがまあそういう内容」と聞き返してきた。ちょうどそのとき2人は「まだ、出よらん。おお寒」言って戻ってきた。2人のうち少し太っちょで眼鏡を掛けている方の車掌が、多分専務車掌なのであろうが、「寒いはずや。今、北海道は何十年振りかの大寒波に見舞われているんやで。昨日(すなわち北海道についた日)の函館なんか-15℃まで下がったそうやで(まだ、関西弁であるが、この温度は編集者が気象庁からデータを取っているので専務車掌の言は間違いはない。2号車のページをご参照)。「えらいときに来たなあ」とえらく同情してくれた。我々3人も内心、ほんまにえらいときに来た、と思っていると、遅れていた対向車(写真=探し中)が入ってきた。これで「ニセコ3号」は発車できることになったので、車掌さんに礼を言ってユースへ向かうことにした。別れ際に「趣味で汽車撮るのは構わんけど、こんな寒さやさかいに気い付けんとあかんで。凍死したらあかんで」と言って客車に戻られた。少々オーバーな感じがせんでもなかったけど、それ位気をつけな、あかんのかと思い車掌さんらと別れたのであります。「ニセコ」は吹雪の中、汽笛2声、煙と湯気(蒸気ではない、これは白く見えるのでユゲ)を身に纏い、闇の中に消え去って行った。 続きを読む

 「東北展」で寄りたい 写真展もうひとつ

先般、「東北展」の途中に寄りたい市電遺産を紹介したところ、INUBUSEさんから思わぬスクープ投稿があり、“こんなもん おまんねん”のクローバー会精神の発露と喜んでいます。続けて、もうひとつ、ひと・まち交流館の真ん前、カフェ「Ask me! cafe」で開かれている写真展「京都駅 絵葉書で見る140年」をご紹介します。

京都駅が開業して140年となり、関連の催事が、京都駅や京都鉄道博物館で行われていますが、この写真展は、ブログ“ひっちょのステンションと呼ばれた駅”を主宰されている方が、お知り合いの絵葉書収集家のものを借りて、拡大展示されています。

続きを読む

凍える大地への旅 2016年 Part 4 三道嶺の火の玉列車を撮る①

第3日目 12月11日 その2

三道嶺へ来た目的は火の玉列車の撮影です。2年前に来た時に初めて見ましたが、インドネシアの花火とはスケールが違ってすごいとしか言いようがありません。ただ全列車で見られるものではなく2年前はJS6209号機でしか見る事はなかったのですが、引率者の王さんの話によると試しに1年前に粉炭を投炭すると他の蒸気機関車でも可能だったとの事でした。昨年は見ていませんので確かな事は理解できません。本当にそうだったら良いなあと楽しみにしました。▲ 2014年12月31日、撮影の火の玉列車です。 【DATA】Nikon800E、ズーム90㎜、F5.3、 1/25秒 ISO6400
続きを読む

富山の架線修理車

「82801」 さんの投稿の中で京都の架線修理車の写真を見て、最近どこかで似たような車を見かけたなと思い探してみました。2015年7月8日 富山地方鉄道軌道線の南富山車庫の横に止まっていた 架線修理車と思われる車両の写真です。色は京都の様ですが 京都市電が廃止されてもう何年経ったことでしょうか?その当時の車両が残っているとも思われず?はてと困っています。どなたかご教示ください。

続きを読む

凍える大地への旅 2016年 Part 3 北京から哈密へ

第3日目 12月11日 その1
▲ 6:13 今日は空路で哈密に向かいます。国内線ですが2009年ウイグル騒乱があったウィグル自治区への空路です。イスラム問題もあって非常に厳密な搭乗前の検査があるので早めに向かうことになりました。早朝ですが出発案内の表示はびっしりとあります。何と7時台は39便のフライトです。
続きを読む

 「東北展」の途中に寄りたい 市電遺跡ふたつ

佐竹さん「東北展」は12日(月)まで好評開催中ですが、ある方からは「ぜひ行きたいが、写真展に付加して、“こんなもん、おまんねん”とクローバー会らしい、いちびり企画はないのか」と厳しい叱責をいただきました。それならと、ひと・まち交流館京都のすぐ近くで見られる、あまり知られていない京都市電関係の遺跡を紹介しましょう。会場への行き帰り、ちょっと寄って見られたら、どうでしょうか。
橋の下に見えているのは?

続きを読む

凍える大地への旅 2016年 Part 2 天津から北京へ

第2日目 12月10日

昨夜は深夜を過ぎても宴は盛り上がりました。今日のツアー集合は 20:30~21:30の間に北京空港の第3ターミナル国際線到着出口で、十分な時間がありますので今朝は遅い目覚めとしました。
▲ 11:00 宿泊しました168ホテル近くの海河沿いの広場では大太鼓を持ってこられて演奏の準備が行われていました。和太鼓とは違って胴が短いタイプです。
しばらくすると付近には太鼓の音がなり響きました。

荷物を預けて夕刻までかつて暮らした街の変貌ぶりを見ながら散歩です。
続きを読む

「おかえり可部線」本番

3月5日の中国新聞朝刊には可部線延伸を中心にダイヤ改正関連の記事があふれていました。

平成29年3月5日 中国新聞朝刊 1面 1番列車は105系

一番列車730Mはあき亀山駅発5:08と夜明け前にもかかわらず、地元の人たちや報道陣でにぎやかだったようです。

続きを読む

 「東北展」開催中

佐竹保雄さんの写真展「東北を旅して その9」が、きょう4日(土)から、ひと・まち交流館京都で開かれています。さっそくクローバー会会員もアサイチから来場、午後からは、福島からの避難者の声を聞く会もあって、初日から賑わいを見せています。

昨日の準備作業も、呼び掛けに応じていただいた会員3名が馳せ参じ、写真の貼り付け作業に精を出しました。一時は準備不足の心配もありましたが、一同の結束した作業のお陰で、予定時間内に完了しました。快く応じていただいた皆さまに御礼申し上げます。私のほうは、貼付物の忘れものがあって顔が青ざめましたが、今日午前に届けて事なきを得ました黙々と作業に取り掛かる会員たち。

続きを読む

おかえり可部線

明日3月4日にJRのダイヤ改正が行われますが、広島では可部線の延伸と山陽本線寺家(じけ)駅の開業が話題になっています。特に可部線延伸については、一旦廃止された路線の復活と言う話題性もあってマスコミの注目度も高いようです。明日開業で5日の紙面はにぎやかなものになると思われますが、すでに数日前から関連記事が載っていますのでご紹介します。

平成29年3月3日 中国新聞朝刊 社説

続きを読む

阪急96、97

関センセお書きの通り、阪急96、97は半鋼製ボギー客車加越鉄道ナハフ101、102の改造である。加越鉄道は1929年に日車から購入し、設計認可は1929年9月20日、竣功届11月24日。定員104人、内座席72人、自重24.32噸。シルや側板裾のリベットがいささか古めかしい。

加越鉄道ナハフ101日車竣功写真 台車はTR11を短軸にしたもの

ところが不景気の最中で、加越鉄道も他社に倣い1931年ガソリンカーを採用。しかも翌年にはディーゼルカーを、先ずは江若キハ7、8と同型(ステップ構造違い、座席がロング)車を購入して使いこなし、1937年には120人乗り大型車2輌を追加。このため折角の客車も出番がなくなって、加越鉄道は小島栄次郎工業所に売却を依頼した。この時点非電化鉄道ではガソリンカーなら買うが、いくら出物でも客車はいらんというところばかり。しかしそこが小島栄次郎の才覚で、彼はこれを「電車に改造できまっせ、安おまっせ」(彼は和歌山出身だが東京暮らしが長く、関西弁は使わなかっただろうが)と、電鉄に売り込んだのである。手を上げたのが大手の阪急=阪神急行電鉄で、1940年8月購入。甲種輸送で到着した福知山線池田で標準軌間仮台車に履き替え、能勢電気軌道線を経て西宮北口に搬入。 続きを読む

 「東北展」 3月4日から開催します

メール連絡のできる会員の皆さんにはお知らせしましたが、佐竹保雄さんの鉄道写真展「東北を旅して  その9」が3月4日(土)から開催されます。

鉄道写真展「東北を旅して  その9」

3月4日(土)~12日(日) 10~17時 9日間開催 期間中無休
ひと・まち交流館 京都 京都市下京区河原町通五条下る東側 ☎075-354-8711

ご承知のように、この写真展は、佐竹保雄さんが、毎年、東日本大震災発生日の前後に、東北地方の鉄道の再生を願って開催されている写真展です。今回も、東北の復興を願う、さまざまな展示・イベント・集まりが期間中に行われるほか、写真展として3テーマに分けて行われます。
まず佐竹さん自身が、昭和30年代に東北で見られた貴重な鉄道車両の写真を展示します。先ごろ、お邪魔した際は、まだ準備中で、全貌を窺い知ることはできませんでしたが、チラリと見たところでは、煙室延長のC51とか、二本煙突を束ねたようなC51など、私など古い本でしか見たことのないような、伝説の珍車両がいっぱいです。また、お得意の木造客車も、東北ならではの珍車がたっぷり登場しますので必見ですひと・まち交流館京都
続きを読む