マン島鉄道 その3
翌日はかなりの雨で、気温も低い。雨衣を着てダグラス駅で1日乗車券を買う。10.7ポンドでマンクス電気鉄道と蒸気鉄道には全線自由に乗れ、スナェフェル登山鉄道が終点まで1往復OK。前二者は同じマン政庁が経営しているのであろう。
ダグラス駅構内の庫を覗くと、はるばるこの島までやってくるインパクトであった単端式レイルカーが2両共、徹底的なレストア中であったのが残念無念。アイルランドの有名な軽便鉄道である County Donegal Railway は勿論蒸機以外、実にバラエティに富んだ単端式レイルカーを延べ20両以上保有していた。その中で最も新しい19、20が同鉄道廃止で1961年この島にやってきたのである。
メーカーはWalker、1949年及び1950年の製造で、前頭キャブオーバー部分にエンジンが納まり、客室部分をピギーバック方式で牽引している。それにしても、この骨組み(機関部)はまさしく芸術品であろうが、1950年にもなって木骨鉄皮車を生み出すとは、いかにも英国やアイルランドである。ついでながら戦前有名だったグレート・ウエスタン鉄道のR.E.C流線型ディーゼルカーも木骨車体で、これらはすべて、馬車の車体を作る技術だったのである。
これは芸術品だ
仕方がないから、本場文献(The Railways and Tramways of the Isle of Man)から活躍中の写真を借用しておく。本来1両で就役するものだが、このマン島蒸気鉄道には転車台もデルタ線もないから方向転換が出来ず、このため2両を背中合わせにし、前頭車両のみの動力で進行するわけである。あぁ、やっぱりこの車両の活躍中を見たかった。
ダグラス駅には架線がないのに、構内を赤いマンクス電気鉄道の側面開放式電車が動いていた。白鼠色の有蓋貨車を連結しており、実はこの貨車がディーゼル機関と発電機を搭載したパワーユニットで、キャップタイアケーブルで電車にエレキを送っているのであった。サイドのシャッターは全部下ろしているのは、雨がハンパでなかったから。
こんにちは。
木骨フレームに対する英国人の信頼は厚く、自動車では
今でもモーガンという特殊なスポーツカーで採用し続け
ています。
自動車趣味の世界ではコーチビルダーという言葉があり
車体製作、本来は馬車を作ってた名残がまだあります。
日本でも近産コーチとか、戦後のバス車体作りの会社が名乗って
いました。
アングロサクソンの保守性の見本のような話ですがレールバス
のレストア写真を見て「やり易い伝統技術を続けてる」なるほど
と思いました。つまりレールバスを21世紀に甦らせることも
簡単なわけです。
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KHさん、有難うございました。この「おじんヨーロッパ軽便」シリーズも延々数年間続いていますが、時折「地図がないのは怪しからん」「写真をきっちり入れろ」「お前もボケたな」など、脅迫めいた?メールが届くことはあっても、まともな―建設的なコメントや相槌の類はほぼ皆無でした。これで72歳老人はすっかり気をよくし、まだ日は高いが早めの「水薬」(この分は1日に割り当てられる制限量から除外することにします)で乾杯し、次なる原稿にいそいそと取り組むことになりましょう。