▲30.3‰勾配が続く大畑ループを逞しく上って行く1121レ(昭和44年3月)
発車10分前になると門司港駅では改札が始まった。頭端式の櫛形ホームへ推進運転で客車編成がゆっくり入線、通常は、ニ1輌+ハ4輌の身軽な編成、始発駅まで来た甲斐があって大きな混雑も見られず、思い通りの席を確保して一安心する。23時30分に門司港を発車、380キロ先の都城を目指す。ある時は“蛍の光”が流れ、その演出に驚いたことがある。車内のオルゴール音とともに車内放送が始まり、夜行列車らしく、停車駅が長々と続く。「八代、人吉、吉松…」と、翌朝に下車する駅が告げられると胸が高鳴ってきた。