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【1378】おじん2人ヨーロッパ軽便 その22-1 湯口 徹 08/5/25(日) 14:09 [添付][添付][添付][添付][添付]

【1378】おじん2人ヨーロッパ軽便 その22-1
 湯口 徹  - 08/5/25(日) 14:09 -
  
IL TRENINO VERDE =サルディーニャ島「緑の列車」その1 島に着いたら・・・

今回は2003年6〜7月訪問のサルディーニャ島を当分続けさせて頂くが、そもそもどこにあるか。イタリア=長靴の真中、西寄りにローマがあり、ティレニア海を隔てた西側にコルス島(コルシカ島・フランス)、そのすぐ南がサルディーニャ島(イタリア・特別自治州)で、地中海第二位(一位はシチリア島)の大きな島でもある。

面積約24,090平方キロ=四国の約1.3倍で、人口160万人の1/3が首都カリアリとその近辺に集中している由。先住民時代からフェニキア、カルタゴ、ローマ、北アフリカのヴァンダル、サラセン、スペインと征服が重なり、1861年にサルディーニャ王国がイタリア王国に統一された。ピサやジェノヴァの植民地だったこともある。

日本からのヨーロッパツアーはイタリアが最人気地だが、さりとてサルディーニャ島へのツアーなんぞ聞いたこともあるまい。有名地に行き尽くした人向けに、ゲリラ的小旅行社のツアー(恐ろしく高価)が、探せばないわけではないが。

この島には国鉄(標準軌間、一部電化)がカリアリ、サッサリ、オルビア等の要地を結んでいるが、軽便鉄道がかつて全島に広がり、その大分が廃止されたが現在もなお主として山岳地帯に残存・運行しているのは、おいおい講釈に及ぶ。

おじん2人は単に経済的理由でコリアンエアを選択し、インチョン新空港乗次でローマへ。1時間早着でも荷物が中々出てこず、予約したホテルの案内所で迎えのリムジンをまた小一時間待つ。場末?のヘンなところを走って着いたホテルもかなり奇妙だった。

送迎がなければ誰が泊まるかというホテルだが、何と陸軍御用達らしく、軍用車両や兵士の一団も到着。翌朝またレオナルド・ダビンチ空港に戻り、晴れてサルディーニャ入り。

ところが小生のバックパックは無事だったが、先達相棒のそれが出てこない。同様な乗客は20人を下らず、次の便だろうと、皆の衆文句も言わずじっと辛抱。次便も駄目で、カートごと違うフライトに積んだらしい。幸い国内のようで、明日午前中に来たら渡すと、別段謝るでもなく2時間ばかり後に知らされ、誰も怒鳴りもせずおとなしく消えていった。ちなみに日本人は我々だけだった。

我々はこの空港でレンタカーを借り、今日中にマンダスまで行くつもりだったのを、急遽変更しカリアリに泊まり、明日荷物をゲットしてからと、初日から予定がずれる羽目に。このあたりオロオロするだけの小生と違い、すぐ判断し対応できる相棒の危機管理能力が凄い。ロストバッギィジはかつてのドイツで出くわし、これが二度目だが、できれば経験したくない。

ともかくカリアリで宿を探すべく立ち寄った観光案内所は長いシェスタ中で、ともかく自分で探し確保。気を取り直し、サルディーニャ鉄道の(現在の)終点に。地図ではこのあたり、といくら探しても見付からないのは、普通のビルの一階が終着形式のささやかな駅になっていたから。

実はここから路面併用で港まで南に線路が伸び、貨物を船や国鉄に積み替えていたが、その路面区間をプッツリ切り捨てたのである。薄暗い中で高校生が何人か列車を待ち、あたりはまるでビル裏の空地で、流線型のディーゼルカーが1両止まっていた。

日暮れまでの時間、カリアリ市街の北側に隣接するモンセラット(標記発音には責任をもてない)車両基地まで車を走らす。道は広かったり、急にローマ時代?の狭い石畳の一方通行になったり。突然ロータリーの中央緑地に蒸機(ブレダ製)と貨車の保存車両が目の前に現れた。もう一度行けといわれても自信はない。

車両基地は土曜日の夕方で人気はなく、勝手に煉瓦塀の扉から入って驚いた。広大な敷地に車両がどっさり、は確かだが、その半分?は廃車だったからである。ギリシャでも廃車両の大量放置を見たが、ここもハンパでない。それも蒸機、DC、客貨車が、中には屋根が朽ち、あるいは半分焼失車も。車両の講釈も後ほどに。

ひときわ綺麗な蒸機がいる。GOITO なる固有名詞のウインターツル1894年製アウトサイドフレーム1C機43で、しかも現役である。大分前日本人の別嬪さんが一人で荷物も持たず旅をし、この GOITO を擬人化した心象映像?がNHKで放映された。夏のみ運行のアルバタックス線で冬にチャーターし、ヘリまで動員しての撮影を覚えている人もいるだろう。

ゴイトの後ろは OM Regginane 1931年製1C1機で、カプロッティ式弁装置(茸型の弁=内燃機関に近い)を持つ。日本ではワルシャート式が最優秀と信じ込み?、かような新しい方式を一切採用しなかったのは、国鉄工作局エリート技術者の偏見と強迫観念ともいうべき「過度の標準化思想」で、結果として進歩から取り残されてしまうのだが。

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