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良書紹介 2
2.鉄道車両はこうして生まれる 発行:学習研究社(学研) ¥1,995
ものづくりの現場を見るのは楽しい。生れ育った下鴨には建築職人が多く、その人達の作業を見たり手伝ったりしていた。電車の模型づくりが始まると、本物を造っているのを見たくなるのは当然のこと。その機会はSE車の見学会が川崎車両であった時に実現した。これを契機として奥野さんの紹介で関西の鉄道車両メーカーを訪ねたのは、DRFC現役時代であった。ところが最近メーカーは工場見学をさせてくれない。その理由はよく分かるとして、ものづくりの現場を若い世代に見せることは大切だと思っている。
この書籍での圧巻はグリーンムーバー・マックス製作のくだりである。裏話がポンポン出てくる。そしてテレビでも紹介された、新幹線車両前頭部の叩き出しの職人芸。当書で残念なのは、原動機、電器関係や駆動装置について触れられていないこと。ここまでやると口説くなって、小中学生に買って貰えないかもしれない。でも理科離れや、と大騒ぎしている昨今、老人には理解できないVVVFの解説など今からやっておいた方が良いかも。雑誌で読むお座なりの説明や自慢話と違い臨場感がある。よって良書である。
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