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ペロポネソス半島その6 ディアコフトE
軌間は750mmだが、車体は車両定規のため窓から上がロンドンのチューブか大阪の長堀鶴見緑地線のようにすぼまっていて、車体幅は恐らく1,900mm程度であろう。3等は2人・2人のクロスシートで色は赤だが、かつてのキハ17を思い出す、上等ならざるビニール。
右に座っているのは我等が(といっても総勢2人)先達、かの「煙プロ」同人にしてウメムラツーリスト主宰者、おじん2人ツアーの全立案実行推進者、レンタカーは全コース運転の相棒である。小生はただ付いて行くというか、連れて行っていただくだけ。
東洋人は我々のみ。黒装束・ひげのおやじが1,150ドラクマの車内券を1,000ドラクマで売ってくれた?車掌である。
途中エネルギープラント車不調でかなり遅延したはずが、ほぼ定時ディアコフト到着。問題はここからで、16分後に折り返すカラブリタ行きの乗車券を買うべく出札口へ。すでに大勢が押し合いへし合いしており、雰囲気がただ事ではない。
何と何と、ディアコフト発11時35分、14時10分の2本は貸切?とかで、乗車券は売れないとのこと(らしい)。最終の16時48分発ならOK。ウッソォー。無人駅で乗ろうとして、車掌が乗せたがらなかったのは、このためだったと判明。
それにしても、1日4本しかない列車の昼間2本が貸切かどうか知らんが、乗車券売り切れ?とは。普通なら続行か臨時か、別列車を仕立てるだろうに、車両がないわけじゃなし、折角売り上げが目の前にぶら下がっているのに組合がウンといわないのか。国は変わってもやっぱり国鉄は国鉄であった。
ともかくバスが何台かおり、その客が乗って列車(車両は取り替えた)は超満員で出てしまった。切符が買えなかった客(海外観光客ばかり)は、今度はタクシーに殺到。恐らくは言い値での取り合い乗り合いで、15〜20分ほどで一応は人影も少なくなった。
我々は終点一つ手前にレンタカーを置いており、さてどうするか。幸い宿はもう一泊確保しているが、昼寝には天気が良すぎるし、第一ギリシャ2日目である。ともかくいい知恵が出るまで、小生は駅ホーム上のカフェでビールを、相棒は線路配置をメモ。
ディアコフトは観光地だが、駅前のカフェは地元の、それも老人―女性は皆無―ばかりが朝から座り、恐らく終日過ごすのであろう。
そのうち一稼ぎしたタクシーが帰ってきた。これで無人駅まで行こうと先ずは値段交渉。車座になった運転手の溜りで英語を解す運転手が仲介し、こっちは地図を示す。8,000ドラクマを6,000まで値切って商談成立。
もっと時間をかければ5,000にはなったかも知れないが、35kmを2,000円だから、まあいっか。それでも運転手はちゃっかり、地元民と思しき1人を助手席相乗りで出発。これで騒動は一件落着と相成った。
その夕刻、宿に車を置いて町に出たらやたらと騒がしい。100人以上?がめかしこんでぞろぞろ、先頭には楽器を持った3人が。車は車でクランクションを鳴らして大騒ぎ。そのまま踏切を渡って皆の衆は教会へ。
ここにも100人程が待っていて、先頭には花婿が。左様、先の100人は花嫁側、待っているのが花婿側で、これから結婚式なのであった。結婚式に黒を着るのは日本とギリシャ位とは聞いていたが、成程黒装束も何人かいた。
今回挿入写真「谷を渡る」はメガスピリオンのすぐ上で、カーブがきついのと、谷が狭いのが分かろう。またディアコフト駅の時計の後ろに、ギリシャ語、英語の標識があり、後者はRACK RAILWAYと書いてある。写真をクリック拡大してご覧あれ。
【谷を渡る.jpg : 201.3KB】
【電気式気動車車内.jpg : 132.3KB】
【ディアコフト2.jpg : 169.7KB】
【ディアコフト駅3.jpg : 166.6KB】
【結婚式参列衆.jpg : 215.3KB】
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