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ラーデブルグとラーデボイル3
終点のラーデブルグは前回書いたとおり観光客や保養客とは無縁の集落で、我々は機関車を撮影してラーデボイルに引き返した。ここには古典的な客貨車が多数保存され博物館になっている。露天展示のため車両の保守は大変だろうが、撮影する側には有難い。現在ではザクセンナロー名物のマイヤーマレー機関車もいる由。
特に興味が湧くのは実に小柄な2軸客貨車群で、イガーバーン模型製品を思い起こさせる古典ザクセンナロー車両の実物である。無蓋車の端面に建つ2本ポールの框組上端に滑車が、客車のダブルルーフの端にも滑車がある。一体何だとお思いか。
これは編成の端から機関車まで屋根上にロープを渡し、非常時に車掌から機関手に伝える通信手段らしい。米国でも客車内を通してロープが張り渡され、車掌に限らずこの紐を引くと機関手に緊急事態の伝達ができるのが、いくつかの西部劇で記憶している。
マリリン・モンロー/トニー・カーチス/ジャック・レモンの抱腹絶倒映画「お熱いものがお好き」にも、鋼製寝台客車中の乱痴気パーティの結末に誰かがこの紐を引き、列車が急停車するシーンがあった。
戦後京都市バス三条−衣笠間に初めて登場したワンマンカーでの、乗客から運転手への停車要請が、(米国流の)紐を引くこのシステムだったのも思い出す。
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