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Domaine des Grottes de HAN その1
ルクセンブルグのペタンジュ北方で高速道路に乗って西北に約70km、田舎道に入って今度は北東に約5km= Han-sur-Lesse (フランス語圏だから発音はアンシュレー?)という村がお目当て地である。
ヨーロッパ有数の鍾乳洞で一大観光地だと、前日 Train1900 で乗り合わせ、奇しくもホテルも同じ、その1日前現地にいたという関西出身の日本人一家(オランダ在住)から朝食時聞いた。新潟で震度6の地震、JR電車脱線をTVが報じていた。
我々にとって鍾乳洞はどうでもいいが、村からのアプローチにメーターゲージの軌道があり、2軸低床ディーゼルカーがオープン客車を3輌牽引している。
一行の先達=ウメムラツーリスト主宰・慶応鉄研OB・かつての「煙プロ」同人たる梅村正明氏は、高校生時ベルギーのペンパルからこの独特のDCを教えられ、爾来実に数十年あこがれ続けていた由。その執念に小生もおこぼれに預かった次第である。
なるほど村にはホテルやレストランが沢山。先ずはリーズナブルな宿をと、少し裏側のイタメシ屋3階に風呂を共用する2部屋を確保し荷物を放り込む。現実はかなりの安宿で、特に+1人氏の部屋がひどかったが、値段は3人で99.5ユーロと一人前。観光地だから仕方ないか。他の小奇麗な宿だと150〜200ユーロは下らない。
村の中央には例の如く教会と広場が、隣接し観光センターというべき建物と大きなループ線があって、お目当てディーゼルカー+客車3輌が3編成待機中。鍾乳洞以外にサハリパークもあり、こっちはトレーラートラック改造のサハリカーである。
鍾乳洞券10.75ユーロを買うと、自動的に軌道に乗れる。というより軌道に乗らないと到達できない。かつて九十九里鉄道廃止(1961年3月1日)後長らく、単端式車や客車が東金に残され、京成電鉄が谷津遊園−船橋ヘルスセンター間アクセスに転用する目論みだったのだが、結局実現せずすべて立ち腐れた例がある。
はるばる日本から見にきたそのディーゼルカーは、小柄なのに機関が340馬力と凄い。通常内燃機関は最大出力で呼称し、国鉄は標準出力だから単純な比較は不可だが、国鉄式表示でも250馬力以上は間違いない。
なりは小さくともDMH17より強力な機関がどうしてこんな低床式の小型車に装着できるのか。今も旧百間町に残る(長年人知れず六甲山中に残存した)頸城鉄道ホジ3と同じ発想=機関上部が床上にはみ出ているのである。しかしこれは車体中央ではない。
座席は窓に合わせ、両側クロスシートシート3組だが、背もたれ間隔が広い部分の片側座席フトン下がエンジンハウジングなのである。すなわち機関は車体中央でなく、片側に寄せて装着され、点検等は車側の扉を開けて行う。
乗車時は厳重に券を改め、座席以上は乗せない。おおむね2列車が続行し、次の列車群とは30/60分の間隔があり、発券時乗車時間を決める。鍾乳洞内ツアーのための制限であることが後分かったが、家族や小グループばかりで、日本や中国韓国のようにドカンと団体が来ることはないらしい。
【軌道の起点はループ.jpg : 249.6KB】
【背摺間隔が広い下に機関が.jpg : 237.5KB】
【座席下にある機関.jpg : 246.8KB】
【村の道路を行く.jpg : 246.0KB】
【村を抜けて.jpg : 243.7KB】
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