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米子駅前−皆生温泉間7.8kmの米子電車軌道は大正12年7月26日特許、地方鉄道軌道一覧のように大正14年3月31日、15年1月28日、昭和3年1月28日と3回に分け開業。加茂町−角盤町は最初に開通した1哩47鎖が灘町線、後の0.74kmを中央線と称した。
帝国鉄道年鑑によれば昭和元(大正15)年度資本金40(内払込済17万9,900)万円、開業線建設費(この時点中央線はない)51万6,499円、他事業興行費1,411円、諸借入金30万1,709円、旅客人員44万5,071人、旅客運賃4万3,377円。営業収入4万5,304円に対し支出3万3,050円で、この時点1万2,254円の益金だが配当はゼロ。
借金は減らず、昭和9年7月現在で37万4,067円、7.8%=年間2万9,289円と収入の半分を利息支払にとられ青息吐息。この時点資本金40万円は変わらず、払込は35万8,250円であった。(鉄道省監督局「各府県別に見たる鉄道軌道の借入金額及其の利率一覧」による)
廃止は昭和14年12月3日=たった15年の生命だった。大正14年度現在電動車2輌80人、昭和5年度現在6輌240人だから各車40人乗りであろう。車輌紹介やその後の消息は乙訓老人の責務であり、遅滞なく義務を果されたい。
半年ばかり前のヤフーオークションに皆生温泉だったかの電車終点での絵葉書が出ていた。米っ子氏よ、ご当地郷土史家団体あるいは市史編纂室などに当たって見ては如何?
この市内電車は当然「軌道」だが、別途地方鉄道法による福米村−境町(1067mm軌間、16.475km)「鉄道免許」を昭和3年12月27日取得していた。この会社は12月が好きらしい。建設費予算額は65万円で、恐らく工事施行認可申請にも到らなかったと思われる。
【鉄道軌道一覧(2).jpg : 137.8KB】
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