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IL TRENINO VERDE サルディーニャ島鉄道「緑の列車」マコメールで その1
マコメールは海抜約500mの高地だが、標準軌間国鉄、ハイウェイ131号線が集る要所で、我等が「緑の列車」も東にヌオロまで日常運行している。
西海岸のレジャー地ボサまで950mm軌間の線路が伸びているが、夏季木・金曜のみ、ボサ・マリーナまでの46km1往復の列車が走るだけ。そんなことは現地に行くまで分からず、この日は火曜日だった。
そのマコメールで目にしたのは、またもや廃車の列だった。複線様の片側を一列に、どっさり並んでいる。車両基地が隣接しており、そこにはさすがにまともな車両が。綺麗に手入れされたブレダ製1Cタンク機(1914年製)はツアー等での貸し切り列車用である。転車台はイタリア独特のもので、大きな車輪が特色。
ニス仕上げの実に見事な木製ボギー客車、2軸手荷物車がいる。勿論復元車だが、こういった凝り様は流石ヨーロッパで、いい加減では人後に落ちないイタリアですら、事文化財の復元に関しては例外でない。スイスやオーストリーでもそうだったが、木ネジはすべてマイナスだから、モーターツールは使えず、手で締めている。
窓下の短冊張りの下端にも木ネジの頭が見え、これは日本(原則外部に釘の類を露出しない)にない技法である。標記の類はぶ厚い真鍮板の切り出しで、FDSに統合される前の私鉄略称であるS.F.S.Sとある。
イギリスに The Railway Touring Co.という世界中を対象に、主としてマニヤ向け蒸機列車の撮影専門の旅行社があり、一度メールしたら毎年ブローシャを送ってきた。丁度この年サルデーニャのツアーがあって、蒸機をチャーターしてフォトランをする、とあった。
運がよければどこかで(只で)チャーター蒸機列車に出くわすかと期待したが、世の中そんなに甘くなかった。
この日は西海岸のアルゲーロまで行きホテルを探す。折角なら旧市街でと、実に手ごろなペンション風ホテルを見つけたが、家族連れで満員。狭い旧市街をうろつき、住民に聞くと婆さんが連れて行ってやる(と言ったんだと思う)と、さっきのホテルにもう一度。
近隣住民の交渉なら、と期待したが矢張り駄目。それにしても親切なものである。結局そのホテルで聞いた新市街のホテルを確保。この町は古い港町で、かつての要塞や砲台跡も残り、旧市街の道は狭い。それも車で行くと次第に狭くなり、一時はどうなるかと心配したが、ミラーは畳んだが何とか抜けられた。
ここからサッサリ、ヌルヴィ、ソルソへの日常運行線があり、駅は町を少し外れたところにあって結構乗降がある。しかし車両は新型DCで、期待外れ。
【死体の列.jpg : 340.3KB】
【死骸がどっさり.jpg : 311.5KB】
【やや新しいブレダ機.jpg : 315.5KB】
【転車台.jpg : 322.4KB】
【見事な復元木製客車.jpg : 328.3KB】
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