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IL TRENINO VERDE サルディーニャ島緑の列車 ソルソ・ヌルヴィ
また前後するが、サッサーリとヌルヴィ/ソルソ/アルゲーロ間3区間は生活路線で、運賃も各1.81、1.03、1.81ユーロ(往復は各3.10/1.76/3.10ユーロに割引)、本数も多い。先回サッサーリに同じ950mm軌間で市内路面電車を建設中と書いたが、2004年に750Vの RIGHT RAIL 3kmが開業し、5車体6軸(奇数車体が各2軸)の超低床電車が運行している由。
我々は建設中の線路に沿って歩いてみただけだが、全線単線、離合はでき、基点はサッサーリ駅前、終点は大きな公園。なおヌルヴィへの非電化区間も電車化されるとインターネットに出ていた。http://www.flickr.com/photos/gudotoni/2698781780/をご覧頂きたい。
ところで我々は「鯰」ディーゼルカーでヌルヴィまで試乗。乗車券は日本なら昔のマルスのような横24cm(パーフォレーション共)、縦7.6cmのコンピューター発券で、これにはすこしガッカリ。片道35km、上記のように往復3.1ユーロだから高くはないどころか、激安である。ロンドンの地下鉄(恐らく市内交通で世界一高い)などと大違い。
1か所の乗降口はなぜかサイド中央になく偏っている。よく知らないが、窓2個の方は以前1等だったのではないか。先達=ツアコンの相棒が車掌に何やら掛け合い(イタリア語の素養はないはずだが)、車掌が運転室に行って戻り、我々2人は運転室に招じ入れられた。
この「鯰」は電気式とトルコン式の2種があり、速度は運転パネルにあるレバーで決めるようだ。運転手は気のいい小男(小生の肩までしかなかった)で、英語を解し、一生懸命案内してくれる。
その内何と小生に運転してみろと、座席を代わるではないか。故吉谷先輩はヨーロッパの路面電車で片端から「わいは大阪の市電の運転手やってんけど、今は地下鉄しかのうて、あかんわ」とドイツ語やら何やら語やらで相手と仲良しになり、運転させて貰っていたと聞く。
せっかくだからご好意に甘えたが、運転といっても自動車ではないから、要はデッドマンペダルさえしっかり踏んでいればよい。本物の運転手の熱心な沿線案内につい気を取られ、ペダルが疎かになると速度がてきめんに落ちる。結構根性を入れて踏まねばならないものであることを痛感した。
そのうちオシロが近づいて俄か運転手は本物と交代。時間表にはなかった回送車との離合があった。駅長も小男で、この島に大男がいないわけではないが、やはりイタリア本土(それも南と北では雰囲気も習慣もずいぶん違うが)とは一味違うようだで、早い話が人種が違うのだろう。
途中車窓から、かなりの高地に町が展開しているのが見える。日本でも高野山(イタリアならさしずめアッシジか)がそうだが、あくまで例外であろう。しかし、以前ギリシャでも触れたように、こんな山の上の町とは、水耕民族には理解を超える。何千年にもわたり異民族の征服が繰返された国だからなのだろう。しかし当然に鉄道の駅は離れた麓になる。
ヌルヴィで折り返す。駅舎は大体共通したデザインだが、その優雅で小さいながらどっしりした様は、ギリシャにも共通する。我国のそれなりに落ち着いた木造駅舎は、今やどこへ行ってしまったのだろうか。日常メンテの手を如何に抜くかしか関心がない、寒々としたコンクリートやプレハブもどきは情けない。
【ソルソ近く.jpg : 329.8KB】
【気のいい運転手.jpg : 334.6KB】
【オシロでの離合.jpg : 307.0KB】
【頂上の町.jpg : 329.7KB】
【ヌルヴィ.jpg : 325.7KB】
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