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こんばんは。
大正出版から「軽便鉄道」なる本がまもなく発売されます。編集者から依頼があり、当会からも湯口先輩の写真を借りるなど多数の写真を提供しました。
ここで注目してもらいたいのは、吉田耕司さん撮影になる表紙の写真です。なんと、そこには沼尻鉄道で行われた当会の狂化合宿の模様が載っているのです。買出しの食料を手にカメラに向かって手を振る、貧しくも清らかな3人の群像、その両側は、大脇さん、南さん(故人)と判明、そして、その中央にいる人こそ、掲示板を賑わす和田平助様の40年前の姿そのものなのです。今でこそ、巨万の富を貯え、日本橋および高津地区のドンと呼ばれる恰幅のいい姿からは想像も出来ないほど、やせ細った姿なのであります。一説によると、あまりにも細いため、布団に入ってもふくらみがなく、だれも寝ていないと思って何度も踏みつけられた(湯口氏談)という話が残っていたほどです。
そして、67ページにも注目してください。花巻電鉄の馬ヅラ電車が載っており車内で2人がひざを突き合わして向かい合って座っているのですが、ここに登場するのも和田平助様なのです。その痩身さをうまく生かた、これほど馬ヅラ電車の特徴を余すところなく表現した写真を私は見たことがありません。でも、不思議なのは、いつも2人で寄り添っていた清水三重子さんの姿が見えないことです。しかし、彼女は軽便のような小型車両はキライで、大型蒸機に惚れていたようですので、たぶん南満州鉄道のミカイでも撮りに行っていたのでしょう。
そして本書にはもうひとり、乙訓の老人と同姓の方の写真が多数載っています。なにも老人が改名したわけではなく、甥の方なのです。甥の方も一時期軽便鉄道に熱中していたのですが、老人の奇行を目にするに付け、将来の身を案じ、すっかり鉄道からは足を洗ったとのことです。
このように、当会の思い出が詰まった一冊、立ち読みだけでも、どーぞ。
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