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名鉄の車両「モ593」に終着駅/旧美濃駅に保存決定
一九五七(昭和三十二)年に製造され、昨年三月末の廃線まで名鉄の美濃町線を駆け抜けた車両「モ593」一両が、全国の電車愛好家らでつくる「旧名鉄美濃駅保存会」の活動により、美濃市広岡町の旧美濃駅に保存されることが決まった。同会は、今年二月下旬までに岐阜市内に保管されている車両を同駅に移転させようと、必要な経費を集めるための募金活動を行っている。
モ593は同線の廃線が決まった当初、解体されるか、ほかの路線へ移されると言われていた。同会員は、九九年三月末の新関駅―美濃駅間の運行最終日に「さよなら電車」として使用されたモ593を「今の姿のまま残したい」と、二〇〇四年に名鉄と美濃市に旧美濃駅への保存を申請。その後交渉を重ね、昨年十一月に両者から正式に許可を得たことで、保存が実現した。
同駅には、既に同市が管理する二両が保存されており、モ593は三両目となる。
同会では、車両が保管されている岐阜市市ノ坪町の旧名鉄岐阜検車区から同駅まで運ぶための費用を、昨年十二月から募っている。百万円が集まったが、あと百万円ほどが必要という。同会の会員で、美濃市から同駅の委託管理を受けている市原英之さん(53)は「皆さんの協力で保存を実現し、車両の中で美濃町線を電車が走る映像や駅で放送された音楽などを流し、多くの人に懐かしんでもらえれるようにしたい」と話している。
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