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◎湖畔を行く【写真7】
玉造町から浜へと歩く。途中の国道のオーバークロス地点からは、線路の背後に霞ヶ浦が望める。いよいよ鹿島鉄道のハイライト区間に入ってきた。国道の陸橋から列車を待つ。次の石岡行きを、まず陸橋から東側に向いて撮り、急いで西側に取って返し、カーブを切って湖畔へ向かう列車の後部を狙った。立ったまま写すと、電線が写り込むため、地面に這いつくばっての撮影だ。線路の周囲は、一見菜の花かと見まごうセイタカアワダチソウが満開だ。その旺盛な植生理由を考えると、憂慮すべき情景で、できる限り避けて撮りたいが、この季節では不可能に近い。このような田舎にまで帰化植物が浸食している。
◎“鉄おば”出現【写真8】
浜から八木蒔まで来ると、急に周囲は樹木が生い茂り、山間部の様相を呈する。駅は完全に山の中の雰囲気だ。周囲に人家も見当たらない。比較的開けた鹿島鉄道の駅にあって異色の駅である。この駅で、“鉄おば”2人から声を掛けられた。鉄子はあちこちに出没し、先だっても神岡鉄道では松嶋○々子似の長身の美人鉄子が熱心に撮影していた。今度は、熟年パワーいっぱいの中年鉄子の出現だ。翌日の茨城交通でもクルマで追いかけている戦闘的な“鉄おば”に遭遇している。いやはや鉄道趣味も変わったものではある。深い森を抜けると、陽も西に傾き出し、列車はギラリと輝いた。
◎締めはシルエットで【写真9】
ここまで来たら、定番ではあるが、霞ヶ浦に沈む夕陽をバックにシルエット狙いといこう。ところが、夕陽の落ちる角度は申し分ないのだが、いかせん邪魔が多い。まず、線路と湖の間に、築堤になった道路があり、線路と重なってしまう。道路を逃がして、かつ湖を入れようとすると、そのアングルは極めて限定されてくる。もうひとつの難題は、線路際の雑草だ。下回りがスコンと抜けた写真を撮ろうとすると、雑草が大きな障害物となってくる。両者を排除できる場所を探し回ったが、付近ではついに見付けられずじまいに終わった。秋のつるべ落としの夕陽を気にしながら、なかば諦め気味に列車を待った。
【写真7 鹿島鉄道浜.jpg : 125.1KB】
【写真8 鹿島鉄道八木蒔.jpg : 160.2KB】
【写真9 鹿島鉄道桃浦.jpg : 47.9KB】
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