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ペロポネソス半島その9 ピルゴス〜オリンピア
ピルゴスはパトラスよりは小さいが、ペロポネソス半島西側では主要な町で、メーターゲージの国鉄線はこれからもしばらく西海岸に沿い南下、途中で東に向かい、途中で分岐し南はカラマータで行き止まり。東北に向かうとトリポリ、アルゴスを経てコリントスで元来た北海岸線に合流する。
ピルゴスではひと山の廃車群を撮影し、次いでオリンピアからの列車を待ち受けた。ところが時間を過ぎても一向に列車が現れない。言葉もよく通じなかったが、結局判明したのは、オリンピアへの行き止まり線運行は、2月ほど前に廃止されていた(らしい)ということであった。
それはないだろ。だってつい3日前アテネで貰った全国時間表にちゃんと掲載され、運行していない表示などない(ギリシャ語で書いてあっても分からないが)ではないか。
話はやたらと前後するが、今年になって見たWOWWOW世界の鉄道で、何とこのオリンピア支線の列車が出てきていささか驚いた。凸型DLが客車2両を牽引して結構乗客もある。この番組は再放送が多いが、それにしても一体何時の取材なのか。我々が行ったのはオリンピック前の2001年である。
ひょんなことで元朝日放送の技術者(忠さんレールというブログ主宰)に聞いたら、ほんの廃止寸前に取材したらしいとのこと。
話はまだあって、つい先ごろRailfaneuropeなるサイトを見ていたら、何と何と何と、このオリンピア支線が再運行しているではないか。アテネオリンピックで外国観光客目当てに復活したのかもしれないが、そういえばレールは外してなく、終点オリンピアの駅舎はやたら綺麗にペンキが塗られていた。
今回ご覧頂くのは廃車ばかり。貨車はピルゴスで、車端にある強制収容所での懲戒用鉄箱あるいは移動仮設便所?みたいなボックスは、米国ならDOGHOUSEなんぞと称する車掌室?であろう。
赤錆の蒸機は米陸軍が各地に持ち込んだ1D1で、戦時中まさかミカド(日本語の「帝」)と称する訳に参らず、「マッカーサー」と名づけた代物。車両定規のせいで、先回ご覧頂いたブレダ製ミカド機もそうだが、全高が押さえ込まれているので煙突・ドームが低く、精悍な感じがする。
ギリシャのメーターゲージ用には8両が持ち込まれ、1972年まで現役。その後何両かは特別列車に使われたとか。1947年VULCAN製、ギリシャではD7100型と称した由。ヘッドライトは煙室両側にあるが、上部にオモチャのような小さいライトもある。やはり真空ブレーキ装備。(これのみトリポリで撮影)
【古い貨車.jpg : 346.9KB】
【職用車?.jpg : 432.9KB】
【廃貨車.jpg : 354.8KB】
【米軍が持ち込んだミカド.jpg : 112.6KB】
【オリンピア駅.jpg : 185.3KB】
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