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BROHLTALBAHN―Vulkan Express その1
果てしのない連載に辟易の向きもあるやには仄聞するが、老人は幸い?耳が遠く都合の悪いことは聞こえない。最新のリューゲン島・東フリースラント諸島が3年前で、故あっての中断後1人加わり3人=年齢合計200歳で本年7月再開挙行された。
モーゼル川がライン河に合流するローマ以来の古都コブレンツ駅前の、名前はご大層なホテル・コンチネンタル=その実無星の安宿に荷物を置き、Sバーンでライン左岸を25分。列車運行管理者のみ1人常駐、乗客には無人駅のBrohl-Lutzingに下車。まずはBrohltalbahnの下検分である。
DB駅に向かい一段高くメーターゲージの駅があり、人気はない。構内にはレタリングもそのままのBOB(スイス)の客車など、かなりの客貨車がいた。
この鉄道は1901年開業。死火山地帯に産出する mineral tuff rock 或は phonolith (疑灰岩? 乞ご教示)の搬出が主目的のようだ。線路は一方的な上り勾配で、 20/25‰が続いた後挿入略図では中央高速道路(A61)から二つ目の Oberzissenn から Engeln までの5.55kmが実に50‰。長らくラック区間で、エスリンゲン、ウインターツール製C1、Bラック機が活躍した。
旅客は1961年廃止(77年復活)、鉱産物は標準軌間貨車或はライン河のバージに積替えていた。その後河港民営化で輸送が中断した由だが、1988年コンテナ化で再開。そのため北スペインからヘンシェル1966年製1200馬力DL、12両のフラットカーを購入し、ホッパーコンテナーで軌間転換あるいはトラック積替えをしている。
ドイツで現実に貨物輸送を続けている最後のメーターゲージなのだが、正規社員はたったの5人(貨物担当か)、200人以上がメンバーとして鉄道を資金的にも支え、運行もボランティアによっている。
継続貨物が鉄道存続の根幹だが、旅客は完全な観光=保存鉄道になり、本年は7〜9月が月曜運休以外毎日運行。1〜3、11月は2日、12月は1日のみ、4〜6月は9〜23日の運行である。7月2、3、7、16、17日は蒸機が走る。我々はその隙間の14、15日だったから、これは残念至極。
旅客の主役はボギーのDC=VT30だが、これが一筋縄の代物でない。4個のエンジンが各1軸を駆動し、全出力680馬力。スイスの電車は電機顔負けの力持ち=客室付電機とは以前に記したが、この1956年 Fushs 製、1989年中古で購入したDLも然り。台車が機関車並みに丈夫で、先端が15,000mmの車体より出張っている。客車3〜4両を牽き50‰を上るのだから凄い。
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