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BROHLTALBAHN―Vulkan Express その3
バルカン急行というと大方トルコはイスタンブール発の国際列車を思い浮かべるだろうが、その綴りはBalkanであり、このドイツ田舎の小私鉄はVulkan=「火山急行」である。死火山地帯から凝灰岩搬出目的の鉄道だから、Vulkanは間違いないが、Expressとは。
初回に記したように、何分全線20〜50‰勾配を粘着力だけで上るのだから、17.5kmに上り(日本式なら下り列車)が90分/下り(上り列車)74分を要しており、表定速度は11.67km/14.23km。これでExpressと名乗るのはジョークであろう。
速度は遅くとも、客貨車を牽引して50‰を平気で上る680馬力DCが4個機関・4軸駆動と記したら、一体どんなメカニズムかを記すべしとお叱りが。当然ですな。よって今回図を入れておく。とくとご覧あれ。
4個機関気動車は我国には勿論皆無で、世界には他例がないわけではないが極少数である。小生が知る限りだが、フランスのブガッティ製車(4軸ボギーの両台車中の1軸あるいは2軸=計2軸又は4軸に駆動)が最もよく知られ、米国にもDifferential Steel Car Co.製バスもどき単端式車(V8 130馬力×4)があった。というより、あるにはあった。
常識的には欧米で=ヨーロッパでは現在でも=広く行われた、大型機関を台車に搭載する方式のほうが効率もよく保守も楽とは思うが、製造以来実に半世紀以上、現役も現役のバリバリなのだから文句は付けられない。
有蓋貨車に積み込んでいる自転車は乗客の携帯品で、彼等は終点Engelnまで鉄道に乗り、帰路はその自転車で坂を下るのである。
アーチ(眼鏡)橋はこの鉄道最初の名所で、古い建物のレストランが見え、近くには鉱泉があるらしい。またすぐ先(画面左)にはトンネルが、近辺には洞窟?も沢山ある。
Burgrohl駅といっても昨今の観光鉄道化で途中乗降はほぼないが、優雅な駅舎はレストランになっている。
【4個機関DC図.jpg : 116.5KB】
【自転車の積込.jpg : 198.1KB】
【眼鏡橋を渡る.jpg : 194.6KB】
【Burgbrohl駅で.jpg : 199.9KB】
【Burgbrohl駅で2.jpg : 190.2KB】
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