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【1056】おじん2人+1人ヨーロッパ軽便 その19-3
 湯口 徹  - 07/10/26(金) 13:21 -
  
GROTTES de HAN その3

先回入れたパンフレットのイラストは距離がよく分からないので、今回は周囲を含めやや正確な図を。赤線がこのメーターゲージ現在の軌道で、左上ループが1989年以降の村の起点。赤点線は1968年洞窟入口変更による軌道廃線ルート。

旧線は山の上まで伸び、スチームトラムには結構過酷な勾配線だったと思われる。鍾乳洞は白い部分に展開している。

画面中央あたりに車輌基地があり、洞窟出口もその付近でレストランや素朴なテイクアウトがある。客はここで放り出され、飯を食うなり、草地で遊ぶなり、村には勝手に歩いて帰れという、日本なら客が怒りそうな仕組み。

なお鍾乳洞案内が独・仏語と書いたが、終点洞窟入口駅の車輌右側に檜皮葺き?のような回廊が見える。オランダ語、フランス語(しかない)での案内希望者は、それぞれ柱の右、左に並ぶ。小生にはチンプンカンプンだからどっちでも同じだが。

さらに村まで約2キロと先回書いたが、この図でなら1キロか若干遠いかぐらいしかない。近くて遠いは田舎の道で、実際より遠く感じたらしい。

現在のDC車輌は木骨鉄皮車がAR89、90、半鋼車がTRA145、159、168、266の都合6輌。内2輌=2個列車が各客車3輌牽引で働き、2個列車は村のループで次発として待機中。乗客次第で続行列車がDC1輌の場合もある。

輌数の割りに番号が飛ぶのは、複数の軌道に通し番号で納入されたためかと思われ、次回以後紹介するTTAも同様である。メーカーも複数あるようだ。

車体実長8,600×実幅2,320×ラジェーター含まぬ屋根高3,060ミリ。例えば日車最初のボギーガソリンカー芸備鉄道キハ1、2が8,800×2,200×3,337ミリだから、このDCは軽便、2軸車ながら結構大柄なのが分かる。日本の内燃動車が小さすぎたというべきか。

窓幅も1,250ミリあり、扉は妻側に引き、車体は若干前後が絞られ、加えて正面中央の運転手窓上面が少し引っ込んでいるのがアクセントになり、全体としての格好良さを醸し出している。ホイルベースは3,750ミリだがシンメトリーでなく、動軸を少し妻側に寄せているのは、動輪上重量を稼ぐ意図での偏心であろう。

また以前紹介したルクセンブルグのFond-de-Grasで9月15日火災があり、車輌が何輌か焼失した由。修復済車輌は庫内に収められ、焼失は屋外らしいのは不幸中の幸いか。火の気などあるはずもないから、ホームレスが失火したのかもしれない。

日本では廃止後の井笠鉄道で保管されていた車輌が大量に、しかも放火で焼失した事例がある。


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