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【1111】CRH2-300 京津城際鉄路
 中国特派員便り Part23  - 08/1/1(火) 19:16 -
  
さて、昨年末の福田首相の訪中で日中関係が改善の方向に向かい出したようですが、お土産として北京〜天津間の高速鉄道には日本から新幹線を大量輸入するという誤報が日本で報道されました。

中側の対応は早く、ドイツのシーメンスから技術指導を受けたCRH3を走らす予定でしたが、12月22日に報道を行った川崎重工業技術援助のCRH2-300も使用すると言ったまでと、報道の修正指導がありました。

ここで、現在の北京〜天津間高速専用鉄道を収集しました情報を整理します。

・ 正式名称は、『京津城際鉄路』です。開業後は、ただちに天津浜海新区まで延長される第2期工事が決定されています。

・ 始発終点駅は、北京南駅と天津駅。現在両駅では、大幅な改良工事が行われています。天津駅の改良進行状況を先日撮っておりますので、ご覧下さい。

・ 営業キロは、115.2kmです。現在の北京〜天津137kmより21.8km短縮されます。
 開業日は、未公表ですが、遅くとも8月1日、早ければ7月中の可能性もあります。

・ 途中駅としては、亦荘、永楽、武清の3駅が計画されていますが、いずれも開発区になるため未着工で、開通当初はノンストップで走行される予定です。

・ 設計速度は、350km/hですが、当初の運転速度は300km/h。
 所要時間は、約30分、平均速度は、230.4km/h。現在は、69分ですので、半分以下です。

・ 列車本数は、未定ですが、3分間隔が可能に設計されています。北京オリンピック開催時は、相当な本数が運行される予定です。現在CRH2は、16両編成で1日12往復が運行されています。

・ 1列車の輸送人員は、約900名。8両固定編成2本連結の16両運行予定です。
 走行を予定されている車両は、独シーメンスの技術を用いて唐山機車車輌が製造するCRH3−300と日本の新幹線技術などを用いて南車四方機車車輌が製造するCRH2−300の両方です。CRH2-300は、開業までに10編成の80両が製造される予定です。

・ 軌道は、全線ドイツ方式のスラブ軌道で、70%が高架です。全線の敷設は12月15日に完了し、現在は架線の工事に入っています。報道では、3月に納車し、試運転を開始する。正式な運航は、8月1日予定だそうですが、架線の準備が出来れば、2月春節輸送時に試運転と称して、有料列車が走行する事も予測されます。
実際、昨年も4月1日の正式運転前の春節輸送の多客期のみにCRH2は、160km/hに減速されて運行された経緯があります。速度は、直ぐに300km/hと、いうわけにはいかないでしょうが、試運転を有効利用される可能性もありと中国特派員は期待しております。

CRH2-300の性能内容等ですが、

・ CRH2の4M4Tから6M2Tに変更されています。
 1モーターあたりの出力は、CRH2と同様と聞いております。
 単純にM車比を増やして、走行性能を高めたと思われます。
 現在のCRH2の中間T車は、M車に変更可能に設計製造されています。

・ 7号車(1等車)には、天井真中に液晶TVが設置されました。
 ニュース、映画、列車情報や広告が放映される予定です。
 半室食堂車は廃止され、スナックスタンドが設置されました。

・ 製造の国産化率は、70%強です。まだ、日本からの輸入部品があります。
 写真をご覧のように前面のデザインが少し変更されています。
 前照灯の形状が変わっています。また青帯色のラインが前頭部まで伸び、ひと目でCRH2との違いが分かるようになっています。

・ CRH2からの変更点で大きい事は、車両間をN700同様に全周ホロで車内の気密性・空気抵抗性を高めたとの記事です。現在、連結器側の車内ドアを開けた状態で走行しておりますので、これは、車内の騒音防止には非常に有効的と思われます。但し、情報不足で未確認です。その他、車両間の緩衝装置も新しいのを取り付けたようで、振動防止には効果的です。

長々となりましたが、以上が、公表されている記事内容です。
まだ、車両の組み立てが完了したばかりで、実際走行した様子や詳細な内容は不明です。ただ、今回の中国国内の記事を見ますと、CRH2が登場した時のような自国で開発製造したという記事内容ではなくカナダ、フランス、ドイツ、そして日本の新幹線を参考にして中国で改良を加えたとの真実に近い内容に変わってきています。
 
オリンピックまで後8ケ月余り、世界に認められるようになるには、自国に都合の良い報道ではなく真実を公表していかないといけないと、政策の方向転換を始めてきたように思えてきました。

CRH5の切符が入手できましたので、明日、セントレアから大地に向かいます。CRH2との違いを実感してみます。ついでに中国SLの聖地、調兵山も行ければと思っております。


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【CRH2-300報道発表.jpg : 237.2KB】

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【高架とスラブ軌道.jpg : 95.2KB】

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【大改装中の天津駅.jpg : 217.4KB】

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【改装中の天津駅を迂回.jpg : 186.1KB】

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【堂々の16両編成北京へ.jpg : 239.0KB】
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