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掲示板が連日賑わってなによりです。
海外や遠隔地など、非日常の世界で鉄道に接するのももちろん悪くはありませんが、鉄道趣味の原点はやはり身近なところにあると考えます。日常接する鉄道のわずかな変化を感じ取ったり、変化の様子を確実に記録したりすることが、鉄道趣味の原点だと思っています。
特派員のような団塊世代の退職が本番を迎えていますが、退職は即ち、日常の鉄道からの別離も意味します。そういった意味で、日常の鉄道を振り返ることもあながち無意味なことではないでしょう。通勤の行き帰りに見聞した鉄道の変化を何回か綴っていきます。
●阪急淡路駅
特派員は阪急淡路駅で乗り換えして出勤している。
「淡路駅に1号線がないのはなぜ?」と、阪急関連のクイズには必ず出題される駅だ。その答えは天神橋が京都線の終点として機能していた時代、淡路〜十三間には区間電車があった。その専用ホームが行き止まりの1号線として存在していたからで、現在の駅事務所やトイレなどのある場所に当たる。ホームがなくなったのは昭和29年で、その姿は写真で偲ぶのみである【写真1.】。その後、デロ型2両が駅の事務所代わりに1号線に留置されていたという。
淡路駅は京都線と千里線が平面交差しており、運転上のネックになっている【写真2.】。昨年のダイヤ改正で多少改善されたとはいえ、稠密時間帯には駅手前での信号待ちが常態化している。数年前など、乗っていた電車が駅手前で信号待ちしたとたん、制御系統が故障し、1時間半の間、立ち往生したことがあった。超満員の車内で、カントが効いた車内で体を斜めにしたままの1時間半はホント辛かった。このときは、後続の電車が後押して2編成18両編成になって淡路駅ホームにたどり着いた。
それらの解消のため、駅の重層高架化が計画されている。駅周辺では、立ち退きが進んでいるものの、なかなか本体工事には至っていない。そのため、現在の駅はほとんど改良が加えられず、すっかり近代化された阪急の駅にあって、以前の姿をそのまま保った駅になっている。
構内は複雑な前歴を語るように、他の阪急駅にはない謎めいたものが見られる。とくに大阪方の地下通路【写真3.】には、天井部に線路が見える天窓があったり、改札へ抜ける通路が延々と続いたり、なにかしら異空間である。特派員は、乗り換え時間を持て余すと、ここで缶コーヒーを飲むのが密かな楽しみであった。
付近では城東貨物線を改良したJRおおさか東線の工事は本格化しそうであるが、肝心の淡路駅の高架化の兆しは感じられず、豪快な平面交差のクロッシング音とともに、駅構内もあとしばらくはそのままのようである【写真4.】。
【1 1号線.jpg : 115.4KB】
【2 平面交差.jpg : 310.7KB】
【3 地下通路.jpg : 199.4KB】
【4 特急停車.jpg : 378.2KB】
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