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JR西“粋な計らい” 余部鉄橋の桜伐採は開花後に
伐採延期が決まり、余部鉄橋で“最後の桜”を楽しめることに
JR山陰線・余部鉄橋(兵庫県香美町)が平成22年度の完成に向けてコンクリート橋への架け替え工事が進むのに伴い、伐採予定だったプラットホームそばの樹齢約50年の桜5本が、今春の開花後まで延期されることになった。JR西日本は当初「工事に支障が出る」として、年明け早々にも伐採する予定だったが、地元住民の「せめて今春の開花まで待って」の要望に応えた形だ。
この桜は、同駅が完成した昭和34年4月、それまでは隣駅まで歩いていた当時の住民たちが念願の駅開設を喜び、旧国鉄と一緒に同駅のプラットホームそばに苗木を記念樹として植樹。その後、桜は約半世紀で高さ4〜5メートルにまで成長し毎春、満開の桜とワインレッドの橋脚の競演は春の風物詩となった。
しかし、新橋は現在の鉄橋から7メートル南に建設され、桜の場所が建設地に含まれることから、JRは昨年末、5本すべての伐採を決定。住民らは同町を通じ、JR西日本福知山支社に「伐採は仕方がないが、せめて満開の桜を見届けたい」と延期を要望。同支社が町に「伐採は開花が終わってから」と回答した。
JRの粋な計らいに、地元の余部地区連合自治会の山本美津男会長は「新芽が出ている桜が切られるのには心が痛んだ。伐採が延期となったことで、“最後の桜”をしっかりと見届けたい」と話している。
3月5日10時45分配信 産経新聞より転載
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