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お正月の東北地区を走行するCRH5に続き、今回は広東地区のCRH1に初乗車してまいりました。
この電車の技術供与元は、カナダのボンバルディア社製で、原形車はRegina C2008形です。中国では、CRH2と同様の南車四方機車車両有限公司で製造されています。
どちらかというと、寒冷地に適応した車両ですので、広州のような熱帯に近い路線に使用するのは、不思議に思いました。
2008年現在、深セン〜広州・広州東間(147km)には、早6時から23時まで上下合わせて通勤列車並みと言って過言ではない146本ものD列車が走行しています。停車駅は6駅ありますが、ノンストップもあれば、全駅停車、また1~4駅停車があって、選択できるようになっています。最も早い広州東〜深セン間ノンストップは、所要時間52分で、平均速度は、160.4km/hを誇ります。
各停車駅には、和諧号専用の有人切符売場の他に自働券売機も設置されていて、待たずに乗れて快適と申し上げたいのですが、中国鉄道駅では、改札口がわずかで、改札開始は、10数分前です。そこへ数100名の乗客が殺到しますので、大混乱となります。
ホームへ降りるエスカレーターやエレベーターもなく、大きな荷物を抱えた乗客は、1つの階段を降りるのは一苦労となっています。何とかスムーズに快適に乗車できるようにならないものかと、乗車するたびに思います。改善の余地、大いにありです。
さて、CRH1ですが、ステンレス製とあって、ずっしり感があります。車内空間もCRH2同様の車体幅があって、天井も高く、すこぶる快適な第一印象をもちました。圧迫感のあるCRH5とは、えらい違いです。乗車ドアーは、車体中央に1ケ所あり、開閉幅が広くて大きな荷物も問題なく乗せられます。
CRH2に劣る点は、CRH5同様に狭い洗面設備とシートです。専用の洗面器設置されている方が、女性にも好評でしょう。温風乾燥機もハンカチを携帯しない中国人には必要設備です。
シートも回転機能がない集団お見合い席で、リクライニング機能もなく、シートピッチもCRH2と比べると若干狭いようです。やはり日本の新幹線ベース車両は、優れています。
ただ、食堂車は、CRH中で最も広く席も十分あります。無座席乗客には、ありがたい車両です。
路線は、勾配も急カーブも殆どなく、乗り心地は快適でした。車内販売も来ますが、短時間乗車ですので、購入する人は殆どいませんでした。
京津高速鉄道を走行するドイツ製のCRH3が、ようやく4月11日に完成したとの報道がありましたので、また比較が楽しみです。
先月に北京・天津とまいりましたが、まだ電気関係の工事中で、残念ながら、まだ試運転は行われていませんでした。その後もニュースが全くありません。
8月1日に開通との報道発表がありましたが、もう残すところ2ケ月あまりです。300km/hで走行する路線です。こんな状態で、大丈夫なのでしょうか?
滞在中、4月28日山東省内において、北京発四方行きT195次が50km/hもの制限速度オーバーで走行したため脱線転覆して、そこへ反対側から来た5034次が衝突し、72名が死亡、400人以上が重軽傷する大事故が発生しました。
尼崎事故と同様にスピード優先の落とし穴が招いた事故です。交通機関に最も必要な事は、安全性です。
再発防止を徹底して行われる事を望むと共に、不幸にも事故に遭遇して亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
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