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地下鉄4号線は、川崎重工の技術援助により製造された、中国初めてのリニアモーター駆動式メトロ車両が走行する路線です。2編成6両は、日本で構体を製作し、中国で最終組立て製造されました。
その後、4号線用全車30編成120両が製造され、2008年12月完成予定の5号線にも45編成180両が投入されます。最高速度は、リニアメトロ車両としては、世界最高速度90km/h(運転速度は80km/h)を誇る最先端の地鉄です。
リニアモーター駆動式が採用された背景には、勾配の多い路線で、最高55‰も存在し、登坂力が必至条件だったようです。
同じ様式は、オリンピックを控える北京空港〜市内までの高速鉄道にも採用されます。こちらは、最高速度100km/hと聞いております。
中国の製造は、CRH2製造する同じ南車四方機車車両有限公司です。
川崎重工からの2つの最高鉄道技術供与を受けた南車の製造技術は、世界でも最高水準に達したろうと思います。
他国製の先頭運転席は、車内からは見えませんが、この車両は、鉄ちゃんには嬉しい仕切り中央扉にガラス窓があり、運転の様子や前方を見る事ができます。
車両長17mと短く、車幅は2800mmと一般的ですが、加速減速ともスムーズで、上下左右の揺れも少なく、乗り心地は満点です。
沿線には、大学やハイテク産業が集まる地区があり、最もふさわしい車両と言えます。
市内から3号線に乗車するには、2号線終点の万勝圍駅からの乗換えが必要です。万勝圍〜金洲は、41.3km、所要時間32分、運転間隔は8分です。広州東駅からだと、合わせて約60分の所要時間がかかりますので、途中で下車したりして、撮影される際は、丸1日必要と思って下さい。
各駅との違った趣向を凝らした駅になっていて、駅を見るのも楽しみです。全駅ともホームドア、エスカレータ、エレベータ完備のバリアフリー駅となっています。
市内は地下線を走行しますが、途中から地上に出て高架線を走行します。沿線は、まだまだ開発途中で、地鉄というより、郊外電車の感があります。
計画にはまだありませんが、終点部分では、高架部分を延伸できるようになっていますので、沿線開発が進めば、また延伸計画に入るでしょう。
4号線に乗車して、関心した事は、乗降客の安全確認です。
運転台には、運転手と車掌が同乗していて、駅に到着すると、まず車掌が降りて、ホーム上でドア開方作業を行います。続いて運転手も降りて、約15秒後にドアを閉め、2名で安全確認を行った後に、2名とも車内へともどります。
その間少し発車は遅れる事になりますが、乗降客の安全確認は、より確実に行えます。
運転時間の短縮は、高速運転で補い、駅では、乗降安全確認に十分に時間をかけて行う。
この作業のために各駅のホームの先頭車寄りには、乗客が侵入しないように安全柵が設置されています。欲を言えば、高台になっていて、前方をもっと見られたら良い。
鉄道にとって、他の何よりも最優先される“安全性”が、ATOやホームドアを含めて、第1に考慮されて徹底実行されている点は、見習うべきだと、思わずにいられませんでした。乗降客対応については、世界で最も安全な地鉄は、“広州地鉄”と申し上げて間違いありません。
終着駅では、降車客を降ろした後、一旦引き上げ線に入線して折り返す。また、混雑する駅では。2線3面のホームで、乗車と降車ホームに分けたり、京阪淀屋橋駅のように降車後に一旦ドアを閉めて、移動をしてから乗車客を乗せるなど、スムーズに乗降ができるようにしてあります。
建設計画設計の際には、各国を見て回り、徹底研究を重ねられた広州地鉄関係者の努力があったと思います。感服するというよりも模範的な地鉄と言い直さなければなりません。
全線121.3キロが開業していますが、2010年には、総延長255kmと、世界でも有数の地鉄網ができる計画です。
カナダ、ドイツ、日本の最高レベルでの車両を取り揃え、駅設備も充実した広州地鉄です。皆様も広州へお出かけの際は、是非乗車されて、ご検分してみて下さい
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【運転席.jpg : 206.4KB】
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