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【1388】で上信電鉄デハ100形の台車振替について書込みしたところが「少し前の西武鉄道」になってしまったので、続編を書き込みしたい。
京阪沿線の中学校に通学していた頃、RF誌だったと思うが、西武鉄道に元国鉄の舶来電機が在籍することを知り、かねてから実物を見たいと思っていた。特にスイス、ブラウンボベリー社製の元国鉄ED12のE51は、1400oの大きな車輪、デッキ部分まで伸びた庇等、いかにもスイス製という感じの魅力的なスタイルであった。社会人1年生の9月、西武鉄道に小手指検車区の見学お願いの手紙を出したところ、総務部の女性の方から自宅に電話があり「どうぞいらして下さい。池袋発の西所沢行に乗り、車掌に言ってそのまま検車区まで乗って行って」という返事であった。当時西武池袋駅は国鉄との中間改札が無く、人の流れについて行くと西武のホームに来てしまった。車掌氏に西所沢までの切符を求めたところ「切符を持っていないので駅で払って」と言われてしまい、西所沢から検車区まで歩いたところ30分以上かかった。検車区では、本社から連絡がいっているので、区長氏から「京都からわざわざうちの古い機関車を見に来たのか、気をつけてどうぞ」で終わったが、不思議そうな顔をされていた。やや停車位置が悪かったものの目的のE51はじめ、小型のE12、元青梅電鉄のE41、最新鋭のE853等をじっくり見学できた。帰りは遥か向こうに狭山ヶ丘駅が見えるのでそこまで歩こうと思ったが、検車区の前に「小手指台」バス停があり、程なく来た所沢駅行のバスに乗車。所沢駅で電車を待っていると、元武蔵野鉄道のE22が茶色の電機を引いてきた。それは小田急丸窓電機デキ1021→岳南鉄道ED281であった。
1.E51 小手指検車区 昭和45年9月14日
元国鉄ED121、大正12年スイス、BBC(ブラウンボベリー)社製で、幹線電化当初のサンプル機として輸入された。機器が精巧過ぎて扱いにくく、戦後の昭和23年に廃車となり、昭和25年に僚機のE52と共に西武に入線した。機器は国鉄標準形に取り替えられたが、長く西武で活躍し昭和51年に廃車となった。
2.E52 国分寺駅 昭和49年5月1日
元国鉄ED122、廃車はED121より1年遅く昭和24年であった。昭和61年に廃車となったが、横瀬基地に保存されており、毎年鉄道記念日に近い土曜日に開催されるトレインフェステバルの時に一般公開されている。元国鉄のED111→E61、ED102→E71と共に大切に保管されていることは誠に喜ばしい。
3. E12 小手指検車区 昭和45年9月14日
西武池袋線の前身、武蔵野鉄道のデキカ10形(11〜13)で大正12年ウェスティングハウス社製。13は昭和36年に弘南鉄道に譲渡され、現在も弘南線の除雪用として残っている。また、写真のE12も保存されている。
4.E22 所沢駅 昭和45年9月14日
元武蔵野鉄道のデキカ21形(21、22)で昭和2年川崎造船製。E21は昭和48年、E22は昭和53年に廃車となったが、残念ながら保存されなかった。
5.岳南鉄道ED281 所沢駅 昭和45年9月14日
元小田急デキ1021で昭和5年川崎車両製、小田急の丸窓電機として関東では有名であった。昭和44年8月に岳南入りしたが、昭和53年12月に廃車となった。晩年は岳南富士岡の側線でボロボロになって放置されていたので、見られた方も多いのではないだろうか。西武の電機ではないが、たまたま所沢駅で見たので紹介した。
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