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マン島鉄道 その2
マン島は淡路島より少し狭く、人口はその半分―面積572平方キロ、約7万5,000人。勿論英語だが、かつて断絶したマンクス語も最近は文化として一部復活しているとか。元来がケルト系で、地域柄当然ヴァイキングの侵略・殖民も。
一般には100年も続く通常道路60kmでのモーターサイクルレースと、独特のマンクスキャット(尻尾がないかごく短く、後足が前足より長い。大昔ノアの箱舟に乗り遅れかけ、前足を扉にはさまれ折損したのが由来)が有名。この猫をデザインしたキャットコインも有名で、相棒も記念に銀行で両替しゲットした。
首都ダグラスの地形は南が崖のようにそそりたち、その高台に Douglas Steam Railway のダグラス駅がある。美しい煉瓦建の駅舎にさらに門があり、まるでテーマパークの入口である。勿論ショップがあり、本やグッズが買える。
列車は案外少なく1日4〜5往復。5〜11月のみ運行で、現在島の鉄軌道はすべて観光用。ダイヤ等もインターネットで知ることができる。
http://www.iomguide.com/transportation.php
かつてダグラスの町にはサンフランシスコのようなケーブルカーもあったらしい。
天気が悪いが、まずは2泊のリーズナブルホテル確保を。目の前に路上駐車可能で手ごろな宿だが、何と1人1泊60ポンドと抜かしくさった。これが実に15ポンドまで値切れたのだから、吹っかけにも程がある。雲助は世界中にいる。
鉄道線路の両側はことごとく、戦車でもない限り突破など絶対出来ない物々しい生垣で、列車の半分が完全に隠れてしまうから、撮影場所が殆ど得られず、開放的なのはわずかに駅構内のみ。これは先回にも書いた羊が線路に入り込まないためだが、どこでも撮影できる農業国は天国である。
踏切も先回紹介したが、普段は鉄柵で閉ざして羊の侵入を防ぎ、列車が来る時だけ90度回転させ道路を塞ぐ。その傍に建つ小屋は、かつて踏切警手の宿舎だったのだろう。道が狭いと扉は片開きだが、踏切の数だけ人手が必然だから、絶対数が極めて少なく、無人踏切は立体交差以外あり得ない。
放牧地も同様厳重に囲われているが、非牧畜農地・農家に接している線路だと有刺鉄線だけになる。とある農家で老夫婦に、撮影のため敷地に入らしてくれと頼んでみた。気軽にOKが出、やっと列車が撮影できたが、これ以上の横勝ち構図は高い足場がない限り無理である。
その後その農夫はティーか、カッフィーかと尋ね、お茶をご馳走してくれた。農家といっても、南側壁にはショーウインド顔負けの大きなガラス窓があり、居間でくつろぎながらからアイリッシュ海が見下ろせるのである。冬なら相当に厳しい風雨に曝されると見え、日本なら当然開閉できるところだが、分厚いガラスは嵌め殺しだった。
【まるでテーマパーク入口.jpg : 312.0KB】
【ダグラス駅.jpg : 316.2KB】
【マン島鉄道踏切.jpg : 328.5KB】
【マン島鉄道列車1.jpg : 341.6KB】
【マン島鉄道列車3.jpg : 326.1KB】
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