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出演:1961年度 魚住鉄彦
1962年度 吉田 麹
1966年度 小咄純爾
1967年度 澤村旅也
第5回 あっという間の18段
【旅也】こうして見学者たちを満載した我らのトロッコ列車は軽快に山を下り始めました。長いトンネルを出ると、すぐに連続18段スイッチバックにさしかかります。ずっと昔、ピクかファンにこの軌道が写真入りで紹介されたのを見た覚えがあります。山腹を幾度となく折り返すスイッチバックを俯瞰撮影したものでした。おそらくここを写したものでしょう。ところが、現在はすっかり立木が生い茂り、すぐ下の段の存在を見つけるのがやっとという、林の中。とてもまともな写真など撮れません。
ポイントを踏む音がして列車が止まると、車掌役の職員が押しボタンで合図します。すると直ちに列車は後進、ポイントを超えて山下方向に行く線路に入り、100m程走るとまたポイントがあって行き止まり。線路の終端には列車停止標識が掲げてあり、何段目かが解るように番号が書いてあります。(写真2)そしてすぐに前進。これがまたすばらしくスピーディーなのです。見ていると、どのポイントにも割って入ります。さながらスプリングポイントのようですが、小さなポイントマシンが付いていて、線路脇に電気装置のボックスがありました。機関車から電波を送信し、その周波数で上下方向の切り替えをするシステムだそうで、かわいらしい電光式の進路表示器も付いていました。あらかじめ割って入る方向にセットすることで転換時間を節約し、未転換のままもと来た線路に逆戻りしたり、途中転換で脱線したりするのを防ぐ、よく考えた賢いやり方ですね。全部で42段もあるスイッチバックの全てにこの自動転轍機が設備されているそうで、18段もあっという間に降りてしまいました。
車内では解説員の方がタイムリーな解説をしてくれます。時々バスのような音のホイッスルを鳴らし、急カーブではちゃんとキシリ音も鳴らしながら何とも軽快に走ります。その様子をケータイで動画収録してきました。
http://jp.y42.briefcase.yahoo.co.jp/sawamurat2004
これは列車の後方を写した3分弱のショットですが、再下段のスイッチバック部にバック運転で進入するところから始まり、停車後すぐに前進して山下側方向の線路に入り、走行を続けます。左手前に見える人物が吉田さん。程なく信号所の建物をログハウスに建て替えたとの説明があり、三角線への分岐が二回見えます。そして右側にパーンすると小咄さんがビデオを撮っているところで、外の風景は真川と湯川が合流して常願寺川となる辺りです。
ファイルはYAHOOのブリーフケースに収めてあります。上のURLをクリックすると「公開0409」というフォルダがありますのでそれを開き、「立山砂防0408-2」をクリックすればダウンロードが始まります。但し、このサイトは非常に遅く、サイズが4940KBと大きいこともあって、ダウンロードに5分以上(CATVの場合)かかること、再生にQuick Time Player(最新版で確認)が必要であることをご承知おきください。
その後も何段ものスイッチバックがあり、また岩のオーバーハングやトンネルをくぐったりで常願寺川の右岸伝いに下ってゆくのですが、すぐ近くに見えていた河原が気が付くとずっと下の方にあるのに驚きます。するとまたスイッチバックがあり、ぐっと高度が下がるのです。この辺りの川の勾配がとても急である証でしょう。昔、調査に訪れた何とか言う外国人が「これは川ではない、滝である」と言ったとか。河原に、無数に転がる岩を見てもこの辺りの自然の荒々しさが良くわかりました。
ようやくトロッコにも乗り疲れてきた頃、今朝見たスイッチバックを通って列車は千寿ヶ原、終点です。
(次回はいよいよ最終回、総集編です)
【Photo9.JPG : 153KB】
【Photo40001.JPG : 158KB】
【Photo20002(2).JPG : 464KB】
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