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Zittauer Schmalspurbahnその3
ベルツドルフで二股に分かれた両端はクアオルト・ヨンスドルフとクアオルト・オイビンで、いずれもチェコとの国境にごく近く、クアと頭に付くのは温泉療法などの保養地であることを示す。27‰勾配はずっと続き、何かの弾みで重油炊きでは珍しい黒煙も吐いてくれ勇ましい風景となる。
機回りを済ませた列車のそばのベンチでくつろぐのは機関士で、日本なら寸暇を惜しみ点検ハンマー片手に車輪やクロスヘッド、ロッドなどを叩きまわっているはず。以前にも記したがこれは機関車国産化後に生じた、材質や工作の不良―亀裂などをいち早く発見する必要から生じた、100%日本独自(台湾等にも残した)の悲しい「発展途上国的習慣」が未だに大井川や山口線、恐らくは梅小路にも残存しているのである。我国ならクロスヘッドや動輪ボスのハンマー打痕跡がいかにも年輪を刻んだ勲章とされ、撮影対象になるが、欧州の機関車や蒸気船のメカにかような打痕跡は一切見られずピカピカ。そもそも叩いて傷を発見する必要がないのである。
なおモーリーでのモノクロ(1993年撮影)とカラー(2004年撮影)写真とでは、機関車の番号表示が違うのはなぜか、と多数(実は約1名)からお尋ねが。頭に099とつくのはDR(東ドイツ国鉄)時代の形式で、狭軌機関車を表す。DBに統合後は頭のゼロがなくなって99から始まり、次の形式が3桁から4桁に変わっている。
【ヨンスドルフ行き列車.jpg : 120KB】
【クアオルト・ヨンスドルフで.jpg : 96KB】
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