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三岐鉄道:北勢線SL、推進協が静態保存を決定 市民団体、あす再運転の構え /三重
三岐鉄道北勢線(桑名市―いなべ市)の沿線自治体と三岐鉄道で作る「北勢線対策推進協議会」(会長、水谷元桑名市長)が31日、桑名市役所で開かれ、3月5日に阿下喜駅構内を走った蒸気機関車(SL)について、今後、1年間動かさずに保存する方針を決めた。これに対し、市民団体は4月2日に再度、走らせる計画を進めている。
SL「下工弁慶号」を協議会が04年4月に山口県下松市から借り、いなべ市の市民団体「北勢線とまち育みを考える会」(安藤たみよ会長)と覚書を結び、保守管理を委託した。
協議会では「下松市の貴重な財産。返すのが本来の姿」「静態保存を前提に3年間借りた。動かすのは覚書違反」などの意見が出た。そして、「静態のまま1年間保存する。考える会とこれで世話してもらえるか話し合う」ことを決め、「SLを動かしたら、覚書の解除とならざるを得ない」との報告があった。これに対し、協議を傍聴した安藤会長は取材に対し、「静態保存なら保守管理をする意味がない。2日は動かす」と述べた。このため、協議会が今後、考える会との覚書を解除する可能性が出てきた。
全長約4メートルのミニSLで、北勢線のPRのため3年間の期限付きで無償で借りた。考える会のメンバーが約10カ月かけて整備し、3月5日、かまに火を入れ、阿下喜駅構内の線路約80メートルを往復した。この際、協議会は「展示のみを前提に交わした覚書に反する」と、火入れ中止を求める文書を安藤会長に送っていた。【沢木繁夫】
〔三重版〕
4月1日朝刊
(毎日新聞) - 4月1日11時0分更新
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