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【564】おじん2人ヨーロッパ軽便 その7-1
 湯口 徹  - 06/5/21(日) 12:02 -
  
Rasender Roland リューゲン島鉄道(その1)

訪問は2004年6月。例によりコリアンエアーの安切符で、極粗末弁当、最低の酒サービスを耐え忍びフランクフルトへ。夜行列車乗換に100km離れたフルダへ。寝台券はとれず座席指定のみで接続にほぼ1時間、23時41分のミュンヘン始発、コペンハーゲン行国際列車(古いお粗末な客車)に乗車。コンパート席を占拠熟睡していた親父を2人して(こわごわ)追い出したものの、あまり寝られなかった。

ベルリンで列車は動き出す気配がない。さては事故?と思ったが、長時間停車が定時=少々遅れても調整できるダイヤであった。ベルリンで皆降りてしまい空っぽ同然でロストック着8時31分。何とこの貧相な国際列車には、目的地リューゲン島のビンツ行き客車が連結されていたのには大笑いした。

レンタカーの店がロストックの町外れで駅から遠く、聞くと路面電車で乗換が必要だと一生懸命説明してくれるがよく分からない。とりあえずタクシーで、それもかなり探してやっと弥次喜多道中は軌道に乗ったと思いきや、いきなり分岐方向を間違えやりなおし。国道105号を東に走り、旧ハンザ同盟都市ストラルズンドを抜け、リューゲン島へ。プットブスまで約100分だった。

天候は悪く、列車撮影はあきらめて乗車することに。ホテルはビンツ駅近くのやや薄っぺらいが清潔なペンションに2泊を確保した。ダブルしかなく、またツイッタウの二の舞かと2部屋頼んだが、セパレートだったので1部屋に縮小。カード利かず現金支払はまだ東ドイツ時代の引きずりであろう。

先回までの軽便訪問は1993年だから、各線も東ドイツ時代と大差ない姿で、機関車はともかく客車や駅舎の保守は極めて悪く、わびしい思いが多かった。
何しろ天下のドレスデン中央駅ですら、便所扉が釘付けされて使えなかったし、照明も薄暗いのを通り越していた。ベルリンの目抜きクーダム通り公衆電話ボックス内には、雲突く大男が寝ているか、小便どころか大便が垂れ流されていた。
西ドイツの玄関口たるフランクフルト中央駅では、青白くやせこけた10代の男女がたむろし、公衆の面前で腕から血をダラダラ流して注射を回し射ちしており、市当局はせめて1人毎に使い捨てよと、エイズ防止に無料で注射器と針を配っていた。
流石に2004年ともなればこんなことは、少なくとも表通りからは姿を消しており、ホッとしたが。

このラセンダー・ローランドこと、リューゲン島鉄道も、10年前だったら同じようなものだった筈だが、私鉄化された現在では随分手が入れられ、駅も綺麗になり、恐らくかなりが新たに建築されたもののようだ。小型のテンダー機関車はLGBの大型模型にもあるはずで、濃い藍色が何ともいえない良い雰囲気である。


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