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【599】おじん2人ヨーロッパ軽便 その8-4
 湯口 徹  - 06/7/28(金) 10:13 -
  
Ostfrieseschen Inselbahnen 1-4 ボルクム島鉄道(その4)

前々回{592}2枚目の写真は、バック運転のコッペルが古典客車を牽いて、複線の左側を走行しているが、これは車庫からボルクム駅への据付回送である。右側線路だと待ち構えていて、左側をやってこられ絶句した写真は今回お目に掛ける。

その下側は、我々が島を離れるべく乗車した16時30分発列車。客車は古いものでも、機関車は当然ディーゼル機だと思っていたから、別段撮影もしなかった。ところがところが、発車の汽笛は何と「プォーッ」ではないか。コッペルが牽引していたのである。

この理由は車内で考えて判明した。赤いディーゼル機と、ピカピカ・カラフルな客車(1993年この鉄道を手入れした時の新製車)は、連結器が密着式である。ところが古典客車とコッペル機は、連環連結器なので、混合運用ができない。

連環連結器には通常左右逆ネジによる緊締装置があり、連結遊間をゼロにする。欧州の列車の発車時が実に滑らかなのは、遊間がないためである。

通常の自連(米国発祥のジャニー系列=我国も同様)は1か所20mmぐらいの遊間があり、引出時運転が下手だとガン!ガン!ガン!とショックがある。逆にその遊間を利用し、1輌づつ引き出すいうテクニック=機関車の力が弱くとも、長い列車が引き出せることにもなる。

このボルクム鉄道古典客車の連結器は、緊締装置のない、鎖とフックだけの最も単純なもので、遊間は大きいが、引き出しはスムースだった。走っているのは正しく右側線路である。先の左側走行は、一体なんだったのだろうか。

古典客車の車内は、椅子は見事な純木製ニス仕上げ、車内は外側ほどには厳密な復元ではなく、新建材?めいたものを使っているようでもある(乙訓のご老体よ 判定乞う)。モニター下部に白い横梁?が渡っているのは、勿論後年の補強であろう。何しろ1908、1928年製の車輌なのだから。

窓の部分にご注目ありたい。広い窓は嵌め殺し、その両端の狭い窓が下降できる。
この構造の客車はリューゲン島にもあり、どうして開けるのか、いろいろやってみたが分からなかった。同乗のお兄さん(ドイツ人)が見かねて手伝ってくれたが、それでも窓は下りてくれなかった。

その秘法?は、ボルクム島でやっと体得できた。狭い窓の外側窓枠上部に、真鍮のヒンジが2箇所あるのがお分かりであろう。まずこの木枠下部を手前に引き、窓(ガラスがはまった)との間隔を広げると、あらあら不思議あら不思議、窓はスルリと動くではないか。適当なところで木枠を戻すと、窓はその場所で(摩擦により)固定されるという、我国には伝えられなかった一種の「フリーストップシステム」だったのである。

なおこの復元客車には、勿論昔はあった室内灯がないから、夏のシーズンだけ使うのであろう。

港に着いた。連絡のフェリーは目の前にいるが、コッペル牽引列車も撮りたい。1本後の高速艇まで遅らすことにした。17時47分に次のDL列車が着き、その寸前に蒸機列車は出発。高速艇は17時50分発ときわどい。高速追加料金は8.8ユーロ(本来のフェリーだとボルクム島鉄道を含め14ユーロ)だった。

ジャスト1時間でエムデンハーフェン到着し、皆の衆あらそってタクシーを探す。19時10分発列車があるのにと、のんびりしていたら、土日だけのダイヤであることが判明。道理でタクシーに群がったはずである。仕方なく、次の19時31分発まで待つ。疲れ果てて、その長かったこと。

その間相棒は運転士に明朝借りるレンタカーの事務所所在を尋ね、彼は自分の携帯で仲間に聞きまわり、駅と旧市街の間であることが分かった。日本の鉄道職員がここまでしてくれるだろうか。なおこの3両連結ローカルDCはワンマン運転で、駅にも出札機がなく、心ならずもエムデンまで(近距離だが)は無札乗車になった。

エムデン駅は無人で案内所もなく、駅前は広いが人影がない。荷物を背負って重い足どりで宿探しに旧市街へ。2軒蹴られ、へとへとで口数も減った3軒目、レストランがホテルも兼業しているのが見つかった。別棟だったが清潔で、ツイン65ユーロ。勿論朝食付きである。動き回る気力が失せ、夕食もこのレストランでとった。オムレツ、ポークソテーと勿論ビールで13.1ユーロ。味は悪くなく、量は多かった。

明日から他の2島の鉄道を訪ねた後、またエムデンに戻って車を返す。相棒と相談し、3日後の部屋も予約した。当日はレストランが休みだから、この階段を上がってこのベルを云々と、鍵を貰う段取りは無類の危機管理能力の持ち主である相棒が聞きだした。親父は英語が駄目で、ヨメさんが何とか解った。


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【古典客車の室内.jpg : 67.7KB】

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