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ペロポネソス半島その5 ディアコフトD
先ずはこの750mm軌間軽便線の時間表をご覧あれ。我々が訪ねた4月では黄色に塗った4往復のみ。駅名は上からディアコフト、メガスピリオン、カラブリタ。欄外の注意書きはオフシーズン?運行の列車番号らしい。
先ずは奇岩の側で、一方的な上り勾配ばかりだが日本式なら下り1番列車を撮り、次の無人駅に車を置き、ここからディアコフトまで往復しようという趣向である。
離合設備は残っているが人気はない。近くに1軒かなり大きな農家とも見えぬ家があり、そこから黄色い帽子の老婦人が出てきて駅のいすに座り、本を読み出した。てっきり列車が来るときだけの臨時駅員?かと思ったが、そうでもなさそうだ。
彼女は我々に、家に来てお茶を飲んで行けと勧めてくれた(らしい)が、残念ながらそんな時間はない。列車は6分ほど遅れてきたが。
歩いて下ってきた2〜3人ともが乗ろうとしたら、車掌が何やら大声でまくし立て、要するに乗せたくないらしい。
何故かはさっぱり分からないが、こっちはこのためにはるばる来ているのだから。
ともかく強引に乗り込んだ。車内補充券を求めるべく、いくらかも分からんので高額紙幣(しかなかった)を出すと、釣りがないらしい。何やら云って補充券を発券してくれたが、1人1,150ドラクマなのに1,000ドラクマしか小銭がない。
また何やらひとくさり云った挙句1,000ドラクマを受け取り、切符を渡してくれたが、券面にはちゃんと1,150収受とあった。日本に限らず、こんな場合は高額で収受し、駅員のいる駅で清算するもんだが、一体どうなってるの?
次の駅がメガスピリオンで、観光客ばかりだがかなりが乗降した。あたりに集落等はないはずだが、側にカフェもある。運転手、車掌、駅員は中間の2軸エネルギープラント車に集って何か議論中。どうやらエンジンの調子がおかしいらしいが、やがてスタート。
これからが当線の見所、渓谷ぞいの線区で、3か所のラック区間もある。前部の2等客がビデオを回すため立ち上がり、お陰で3等室からはそいつがバッチリ邪魔になる。銭は無駄に取らないものであることも判明。
線路は完全に崖にへばりついて建設され、川に面する側が掘りぬかれた、コの字型断面の片側開放トンネル?が続く。よくもこんなところに線路を敷く気になったものである。一切道路がない区間だから、この景色は列車に乗らない限り見られない。
川は狭く、谷もそう深くなく、大井川鉄道井川線とはまた趣が違う。スケールが小さいだけに水が近く、かえって迫力もある。
【時間表.jpg : 116.8KB】
【奇岩の側.jpg : 0.5MB】
【無人駅で列車に乗る.jpg : 195.0KB】
【メガスピリオンで.jpg : 209.8KB】
【ラック区間.jpg : 86.6KB】
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