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【533】おじん2人ヨーロッパ軽便その5-2
 湯口 徹  - 06/4/13(木) 10:51 -
  
Lossenitzgrundbahnその2
前回(初回)が2月15日だったが、その間に「サンパチ豪雪中横断記」がはさまったため、丸2か月ぶりで第2回となる。前回など忘れたわ、という向きは2月15日まで戻って再見されたい。また始まったか、などと忌まわしく思う人には呪いあれッ!。

まず地図をご覧頂きたい。ザクセンの中心地ドレスデンの西北に隣接し、エルベ河の北側に展開するラーデボイルには、DB本線の駅がヴェスト、オストと二つあるのは前回記した。そのオスト駅から住宅地を抜け、路面電車と平面交差して丘陵地帯を上り抜ける。高原状の平地に達すると湿地に見まがう池が広がり、文字通り絵のようなモーリッツブルグ城の南側を抜けるが、保養・観光客はここまで。列車はラーデブルグが終点で16.5km、軌間750mm。

前回3枚目だけがカラーなのは、1眼レフのトライXがなぜか34枚目ぐらいでフイルムが動かなくなり、已む無くサブのコンタックスT2で撮ったから。朝飯前の一仕事だったのでそのまま民宿に帰り、自分のと、相棒のも脱がせ二重にしたズボンを臨時のダークバッグにフイルムを抜き取った。
幸い黒色のフイルムケースを持っており裸で収め事なきを得たが、現今の透明ケースではこんな時の対処法がない。町の写真屋はパトローネからプーラーで引き出すしか知らないから、こんな「暗室開封」フィルムを持ち込まれたら、一体どうするのだろう。

モーリッツブルグ一帯の湿地は素晴らしい景色だが足場がなく、列車と池、城を写し込むことができない。ご当地本でもほぼそうだから、我々旅行者にはこんな写真しか撮れない。
客車は手荷物(というより自転車搭載)合造車を除き窓幅が狭く、幕板に当たる部分がない。その窓は下降式だが、フリーストップというか、窓枠下部に穴を開けたベルトが着いていて、車内の突起で適宜の場所で止まる仕組み=本来馬車での方式。我国のクハ86運転席もそうだった=である。
そのベルトは当然皮革のはずが、ヨレヨレのズックで、穴に打った鳩目も抜け落ちストッパーにならず、旧東ドイツの末期症状が悲しかった。もっとも1993年―13年前、まだDRとレタリングされていた時の話だから、現在では綺麗になっているだろう。

モーリッツブルグ以遠は観光客と無縁の農地や民家になり、その民家の形や屋根高がほぼ揃っているのも、我国では見られない風景である。ラーデブルグにはドレスデンからアウトバーンA13、国道E55がほぼ直結しており、列車の住民利用がないのは当然であろう。

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