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【505】サンパチ豪雪中横断記その4
 湯口 徹  - 06/3/3(金) 15:24 -
  
前3回の枕に続き、いよいよ重澤旦那と小生のサンパチ豪雪中今庄-富山の雪中横断記本編の始まり始まり。なお初回「サンパチ」で1962年1月20、21日とも杉津へ行ったと記したのは小生の耄碌露呈で、過去何百年かのカレンダー検索サイトで20日=土曜、21日=日曜と判明。当時土曜日に仕事を休めたとは思えないから当然21日である。訂正してお詫びを。
時は1963(昭和38)年1月。サンパチ豪雪と語り継がれる雪は、前年12月末から積り始め、1月12日から本格的になり17日までが第一波。26日以降が第二波で、積雪は富山186cm、高岡伏木225cm、福井213cm、長岡318cmに達した。主に新潟県から京都府北部の日本海沿いに集中し、鹿児島でも30cmという。死者228、行方不明者3人、全壊家屋753、半壊982棟。
今年の特定地域のほうが雪が深いと思われるのは尤もである。ただ42年前では、北海道こそグレーダーやロータリーなど道路除雪用の新鋭機器が投入され始め、鉄道より除雪技術もすすんだ面があった。しかし当時本州以南は経験もなくお手上げ状態で、一桁番号の動脈国道は建設省がブルで除雪はしても雪を捨てる方策がなく、その片端から新雪が積もる。二桁国道や県道以下はその態勢も録にない。国鉄は明治以来のラッセル、ジョルダン、マックレーン、ロータリーのみ。しかも北陸線は前年3月21日福井まで交流電化(福井-金沢電化は同年4月4日)したところで、電柱と高圧架線が邪魔かつ経験皆無でロータリーでの雪飛ばしもできない。ラッセルを何回か通すと、線路の両サイドに高い雪の壁ができ、以後いくらラッセルを入れても排除した雪の行き場がない。あとは沖中氏の書くとおり、人力で雪の壁を段切りをして更に上へ積み上げるか、貨車に載せ捨てに行くかしかない。
と、ここまでが二番目の枕で、これからが本本番である。先ずは予備知識をお蓄え頂きたい。なお2度目の北陸行「豪雪中横断」の引き金はワッチャラからほぼ毎日発せられる電報で、中でも「キマロキシユツド ウマダ マダ フルゾ 」(キマロキ出動まだまだ降るぞ)が最も2人の神経を刺激した。彼氏の回顧談?では勝手に我々がやってきたかのごとくだが、真実は彼の「煽りそそのかし」が相当の役割を果たしている。話は両方から聞かねばならない。
キマロキを知らない人もいるそうだから、あえて蛇足を加えると、両端に蒸機、その間にマックレーン(掻寄車)とロータリーをはさんだ除雪列車で、線路両側の雪壁を一旦線路上に崩してロータリーで遠くに投げ捨てる。これが走るとはすなわちダイヤなど滅茶苦茶、かつそれ以上の除雪手段はないことでもある。
26日小生は銀閣寺付近の重澤旦那の家に泊まり、夜中に市電銀閣寺の当時京都名物の屋台ラーメンを食べに。雪はどんどん積もり、帰路立ち往生中のタクシーを押してやった。運ちゃんはトランクを開け、すまんがここに2人とも乗ってくれという。後軸に荷重をかけ積もりたて雪を突破しようという知恵で、この経験は後年信州で役に立った。
翌朝1月27日京都発7時23分(大阪6時42分始発)青森行き511レ(各停列車)に乗車したが、盛んに「どこまで行けるか分からん。途中で引き返すかも知れん。承知の上乗れ」とスピーカーが喚き、車掌も1両づつ宣言して回っていた。敦賀までは若干遅れた位で無事北陸トンネルへ。今庄からと記憶するが大勢の臨時除雪作業員(地元農家の貴重な現金バイト)が各自スコップ持参で乗り込んだ。列車は進んだかと思うと止まり、時折指揮者が笛を吹くと除雪員が下車し、雪の壁によじ登って雪を立方体に切って上へ。それをまたリレー方式で上へ。極めて労働集約的非能率作業を重ね、1箇所1時間ぐらいを要し何とか突破して511レは東へ。
止まっては少し走り、を繰り返した列車は、FF70が両サイドの壁にさえぎられ逃げ場のない雪を力任せに前へ押しながら進む。いくら電機が強力でも押す雪は増えるばかりで、その限界になると人力で雪の壁に積み上げ更に高くする。そんな具合で武生までたどり着いたが、それからびくとも動かなくなった。
EF70も客車の台車も雪まみれでちゃんとレールに乗っているのかどうかさえ分からず、立ち往生数時間後、どうやら何箇所か脱線しているらしいと判明。
その間することのない我々は福井鉄道南越線を覗いたがまさしく雪に埋もれているとしかいいようがない。屋根のないホームは雪が山積し、端を僅かに1人が歩けるだけ。その中でも雪は降り続ける。

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