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草花マット敷設 京阪電鉄大津で実験
鉄道も都市の緑化にひと役買おうと、京阪電鉄大津鉄道事業部(大津市)は、軌道敷内に草花や芝を植える実験に取り組んでいる。容易に持ち運べ、手入れも簡単な「緑のマット」を作って、レールの間に敷設する計画で、同事業部は「マットを商品化して、全国の鉄道に緑化の輪を広げたい」と意気込んでいる。
同事業部によると、すでに土佐電鉄(高知市)や鹿児島市交通局、広島電鉄が路面電車の軌道敷の緑化に取り組んでいるが、電車だけが走る軌道敷の緑化は全国で初めての試み、という。
各路面電車は、土を敷いて芝を植えたトレーをレールの間に並べている。この方法には、トレーが重いため、枕木の手入れがしにくく、枕木が腐りやすくなるなどの難点がある。そこで、同事業部は、ダムや高速道路ののり面に張られている芝のマットに着目した。
草花や芝の種と腐葉土を、2枚の不織布の間に挟んでマットを作り、昨年2月、土を敷いた木箱に入れて浜大津駅構内に並べた。その後、土がなくても成長することが分かり、今年4月からは京阪石山駅と島の関駅で、マットを直接、レールの間に敷いている。
マットにはそれぞれ、メキシコマンネングサなど6種の草花と芝の種を植え付けている。レール付近は、夏場の温度が55度まで上がるため、来年夏まで様子を見て、暑さに強く、手間をかけなくても成長する植物を選別する。併せて、マットを外れにくくする方法なども検討する。
同事業部の岡秀敏技術課長は「実用化できるマットが完成したら、全国の鉄道会社に売り込みたい。将来、全国すべてのレールを緑化できたら」と夢を膨らませている。
(京都新聞) - 9月8日14時52分更新
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