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「近鉄特急(上)」が出版されたと聞き、大阪キタの書店へ向かう。ここはむかしマッハ模型が入っていたところだ。その名残か鉄道書籍が充実している。マッハ模型の発祥地は大阪府立夕陽丘高校から近鉄上本町駅へ向かって300米ほどの高級住宅地の中にあって、向かいは当時の大阪市長の自宅だった。その高校に通っていた小生は下校の途中マッハ模型の前を通るのが楽しみだった。ＨＯレイアウトを夕陽丘鉄道と名付け設立したのもこの頃である。これがまた一浪の原因にもなった。夕陽丘鉄道には前立線肥大駅前に軽便のケコキハの保存車両があるのはすでに知られているが、肥大駅近くに膨満館と残尿館という古い旅館があることも忘れてはならない。高校時代のことを続けると、登校は上本町六丁目
で大阪市電を降り、近鉄上本町駅の横を通っていくのが常であった。丁度その時刻は1000
0型初代ビスタカーが特急「かつらぎ」として入線しているときであった。今回「近鉄特急」の表紙を勇姿で飾っているのは嬉しい限りである。
さて、本題の「近鉄特急(上)」を買うべくエスカレターで上へと昇る。売場の姐さんに「近鉄特急(上)」はあるが「近鉄特急(並)」はないのかと問う。姐さんは、ちょっと聞いてきますと奥へ消える。(並)はカラー写真もすべてモノクロ印刷の廉価版で追って発売されますので予約されますかと言うが、早く読みたいし空腹でもあり懐も暖かだったので(上)をたのむ。しかし味噌汁はついていない。書評については、先の掲示板に尻毛会(中国表記では尻毛集団）の重鎮である田野城・福田の両氏が詳しく紹介されているので参考にされたい。
著者の田淵仁氏(1967商)は先日の鹿渡温泉ツアーにも参加され、野沢温泉クアハウスでの
湯あたりにもめげず、熊鍋鴨鍋宴会では、ど真ん中に座り、いかに「近鉄特急」に精力をつぎ込んだかという苦労話を参加者に聞かせたのである。話しが飛ぶが、しかわたり館から15日に礼状の葉書がとどいた。九州新幹線のふるさと記念切手が貼ってあり、さすが鉄道同好会指定旅館の看板に恥じない配慮に感謝する。この葉書は10％割引券にもなっている。閑話休題、田淵氏の力作「近鉄特急」を手に取ってみると、本当によくもここまでと思わずにおられない。古きカラー写真も豊富で、群青色に白っぽいクリーム色の初期の特急色が懐かしい。佐川急便のトラックの色調である。是非（並）にしないで（上）をおすすめする。
ともあれ書店で立読みも良し、ジュンク堂書店で座り読みも良し、一見に値する一冊である。ＤＲＦＣのＯＢ田淵仁氏のご苦労と、編集で支えられた同じくＯＢ福田静二氏に敬意と称賛を送りたい。
そうだ、お彼岸連休は本屋へ行こう。
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