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◎龍ヶ森のオハ31
東北本線奥中山で最後の蒸機の活躍を記録し、花輪線龍ヶ森へやってきた。ハチロクが、重連、後補機で活躍する、憧れの撮影地である。この地で、DRFCの夏季大狂化合宿が2泊3日にわたって繰り広げられるのである。駅で写していると、つぎつぎとメンバーが列車から降りてくる。再開を喜びあいながら、キャンプ地へ向かって行った。
写真は、メンバーの到着を待つ間、駅構内で写したもの。ここまで貨物列車を押し上げてきたハチロクの重連補機が、静かに息を整えている。回送として元来た道を戻るまで、機関士もベンチで一休みだ。その向こうに見えるのが、冬期のスキー客の宿泊用として、留置されているオハ31である。スキーシーズン以外は施錠されて利用することができないが、座席に板を渡し、そこで貸し寝袋で寝るようになっていたらしい。当時、龍ヶ森にはまったく人家がなく、こんな急ごしらえの宿泊設備でも利用客があったようだ。
ハデな塗色であったことだけは記憶の中に残っていたが、改めてカラーで見直すと、17mダブルルーフ客車におよそ不似合いな厚化粧である。今月号の鉄道ピクトリアルの「SLブーム」特集を読むと、このオハ31のことに触れてあり、宿泊してみるとトイレのすごい悪臭に悩まされたそうだ。確かに走っていればタレ流しもできるが、止まったままの客車ではさぞ臭かったのであろう。
「色」だけでなく、「音」(乙訓老人談)、そして「臭い」も、鉄道の思い出として重要なアイテムなのである。
【龍ヶ森のハチロク・オハ31.jpg : 128.6KB】
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