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TPC=Transports Publics du Chablais その7―BVB=Bex-Villars-Bretaye I
CFF(スイス国鉄)でエイグルから南に2駅目がBEX(ベー)で、やはり駅前からメーターゲージの電車が北東へ。現在ではエイグル始発の3線と共にシャブレー公共交通に統合されている。700V直流、Villars(ヴィラール)まではいわば下部線で、その先は上部線とでも称すべき区間である。
ベー駅前には巨大な鰻がくの字型になったように2両連結車が待っていた。連結面台車は車輪径が小さく端面・動台車部以外の床高を下げているが、連結部がカーブのためびっくりするぐらい食い違っているのをご覧あれ。確かに貫通扉も踏板もあるが、これを進行中に渡るのは度胸がいる。
スイス特有の標記である4/8は、この2両が動力を両端台車に集中させた永久連結車=8軸中動力が4軸であることを示している。出力は1,000kWというから、電機顔負けだがスイスでは珍しくない。
ベーを発し平坦線を進んでやたら狭い旧市街を抜け、その次からヴィラールまで、2枚歯アブト式ラック区間があり、また平坦線になって高級リゾート地ヴィラールへ。駅名には Villars-sur-Ollon とある。
ここで線路はスイッチバックして上部線となり、線路は確かにつながっているが、今まで乗ってきた下部線は欧州一般の開放的乗降システムでなのに比し、上部線は極度の閉鎖式に一変する。
これは以前にも記したBRB=ブリエンツ・ロートホルン鉄道等、ユーロパスが通用しない(高額の運賃を徴収する)登山鉄道や汽船でのシステムである。スイスパスなら割引があるのだろうが、ともかく所定の乗車券を買わないと駅構内すら入れてくれず、写真も網越し、望遠を使わざるをえない。
3コマ目「ヴィラールで」で右側の永久連結2両編成が下部線。左側金網扉が閉じられている線が上部線で、駅舎も道を隔てて別個にある。元来別の鉄道だった名残も勿論あるが、運賃システムが異なるのが最大の理由であろう。当然通し客は乗換えになる。
運転ダイヤは下部線が国鉄線に合わせたほぼ一時間毎で、所要40分、朝夕は途中までのローカル列車も若干ある。上部線は時期により5あるいは6往復、所要18分。冬季のスキーシーズンは下部線にかかわらず30分毎の20往復と、完全なリゾート運行になる。
上部線は駅構内を含め全線ラックで、車両定規=車体幅も若干上部のほうが狭いようだ。なお3コマ目は逆光のため、ついアナログの感覚で露光を多めにしたら、コントラストがやたらきつく修正が困難で、デジタルカメラではむしろ不足気味のほうが修正しやすいらしいことを痛感。アナログでの技術経験など全く役に立たないのは老人にとって甚だしく遺憾であり、気分を害すること著しい。
【べー駅前2.jpg : 328.6KB】
【BVB連結面.jpg : 312.6KB】
【ヴィラールで.jpg : 312.6KB】
【ここからラック区間.jpg : 331.4KB】
【いわば上部線.jpg : 345.8KB】
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