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大手私鉄比較探見 東日本編 広岡友紀著 JTBキャンブックス ¥1,890
名前から分かるように著者は女性である。年齢は著述内容から団塊世代から一回り若い世代と思われる。女性とは思われないタッチで話は進められ、あれよあれよと思う間にthe endとなり、後髪引かれる思いで席を立つことになる。
第1章「理想の鉄道車両とは」での乗り心地について、日頃老人も感じていることが取り上げられており嬉しい。
第2章「代表車」汎用車が対象となったのは、関東圏では仕方がないことである。一部に老人ならこの車系ではないかと思うのがあるが、著者の感性によるものに手が付けられないから何とも言えない。気になるのはモーター出力と歯車比の関係だが、一率に述べられているのが気になる。ACモーターの公表出力数が民有鉄道とJR 西日本で差異あることが話題になったことがあるが、老人はその筋の専門家ではないから言及はひかえる。それにしてもメカに強いご婦人だ。「有料特急」の話は嬉しい。関西人はこうした車両に乗ることは稀であるから、知らない事が多い。老人は京成AE100形、小田急VSE50000系、RSE20000系、東武200形、西武10000系には乗ったことがない。第3章「往年の名車」は通過とする。
第4章「輸送サービスを考える」ここが最高にオモロイ!関西とは一味違う関東の電鉄事情から、今後どうなるのか予断は許されない。JRに好きなようにされた関西は、ここ当分追いつくのは困難であろう。
第5章「ターミナル」関西と違い思い切ったことができなかった関東は、相互直通乗り入れに逃げてしまったツケが何時までも纏わりついている。そして百貨店商法に入力したことも……。京王帝都渋谷再開発が、本線から外れているため取り上げられなかったのが残念。すっきりしており、好きなターミナルである。
それにしても思いのままに切った張ったをやったものだ。10社を一列にならべて一刀切りやるには相当な力量が必要である。老人など遠慮虫となり、対抗馬の悪口は遠慮してしまう。来春あたり関西上陸らしい。うるさい連中が多い関西であるが、どのような観察をされていらっしゃるのだろうか。あまりこまかいことに言及されない方がよいかも。楽しみにしている。よって楽書である。
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